「レッズ花壇」がつなぐ東武動物公園と浦和レッズの絆。はじまりはOBの思いつきだった

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2020年06月03日

今年は生で観てもらえなかったからこそ…

取材に応じてくれた浦和OBの東海林氏。2年前から「レッズ花壇」を手掛ける。写真は昨年のもの。写真提供:東武動物公園

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 その反響は大きかった。

「レッズのサポーターがユニホームを着て来場して写真を撮ってくれたり、『初めて見た』と感激してくれたり、それに会社に電話で問い合わせもあったりして。1年目にしてはかなり反響をいただきました」

 そして、そんな反響に応えるように、今年第2作目が庭園に完成する。しかも昨年よりも約6000株増のビオラ2万株。「昨年はもっと花と花の間隔を詰めたかった」という反省も踏まえ、スケールアップを遂げた。

 しかし――。

 ようやく見頃を迎えた4月~5月、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一時閉園を余儀なくされた。まさにピークと言える時期を棒に振ってしまうのだ。

「どうしようもないとしか言えないんですけど、もどかしいというか……。やっぱり現場で直に見ていただきたかった。壮大さやリアルな花の香りを体感してもらいたかったです」

 東海林氏は口惜しそうに言う。
 
「植えたばかりの頃はまだ花苗が小さいので、全然エンブレムの形が分からないんですけど、それから1カ月をかけて絵柄が浮かび上がってくるんです。それを見るのがもう、毎日楽しみで。早くお客様に見てもらいたいワクワクしていました。だからこそ残念で……」

 ただ一方で、生で観てもらえないからこそ、いかに周知するかを考えるようにもなった。

「今年はテレ玉の番組『GGR(REDS TV GGR)』に出演させていただいたり、映像で発信するような機会が増えました。多くの人に知ってもらうきっかけにはなれたかなと。来年に向けた起爆剤になったのではないかと思います」

 すでに東海林氏は来年に向けて動き出している。第3作目を画策中だという。

「とにかく今は映像でしか楽しんでいただくことしかできないので、YouTubeで載せている映像をひとりでも多くの人に見ていただきたい。そして来年の企画も応援していただけたら有難いです」

 東武動物公園は6月1日から営業を再開した。今後状況が落ち着けば、徐々に客足は回復していくだろう。そして来年の春には再び、満開のレッズ花壇の前で、お客さんの笑顔が咲き誇っているはずだ。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
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