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「要求などしていないのにボールのほうが寄ってくる。革靴シュートの時もそうだった」。今なお心に響くストイコビッチの名言(後編)

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2020年05月29日

「あのワールドカップはハイライトのひとつ」

2010年シーズンに名古屋をJ1制覇に導く。この功績は色褪せない。写真:サッカーダイジェスト

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──練習を見ても、内容の濃いメニューが多いです。

「私の考えを把握してもらううえで、トレーニングは重要。アイデアを具現化して説明できる最高の機会ですからね。練習の意図を理解し、グッと集中力を高めて取り組んでほしい。『強いチームになるんだ!』という信念を持ってやってほしいです。もっとも、選手をその気にさせるのは監督の仕事ですけどね」

──戦術をチームに浸透させる作業は、見た目以上に難しいと思います。

「サッカーは、見方によってはシンプルなスポーツです。11対11で、ふたつのゴールがある。シュートの難易度に関係なく1点は1点で、より多くの得点を決めたチームが勝つ。しかしシンプルなように見えて、実はそうではない。むしろ複雑だと思います。野球もそうですよね。ピッチャーとバッターがいて、打たれたボールを野手がキャッチする。一つひとつの動作は単純ですが、これらを複合して試合を成立させるとなると、そう簡単にはいかない。サッカーも、ディテールが求められます。セットプレーひとつとっても、やり方はいろいろ。攻撃や守備の方法も決まった正解があるわけではないし、そこで問われるのが監督のセンスです。なにをどう組み合わせれば強いチームを作れるか。それを見つけるのが、私の仕事なのです。繰り返しになりますが、目指すのは美しいサッカー。このスタンスは変えるべきではありません」
 
──美しいサッカーで思い出されるのが、90年イタリア・ワールドカップのユーゴスラビア代表です。10番を背負ったあなたを中心に、パンチェフ選手(元インテル)、サビチェビッチ選手(元ミラン)などテクニカルなタレントが揃っていました。

「忘れられない想い出です。私のキャリアの中でも、(ベスト8まで勝ち進んだ)あのワールドカップは間違いなくハイライトのひとつと言える大会でした」

──スペイン戦(決勝トーナメント1回戦)の延長戦でFKを直接叩き込んだ決勝ゴールは、テレビで観ていても鳥肌ものでした。

「最初のゴールも美しかったでしょ?(笑)。FKにはFKの良さがありますが、(カタネッチがバックヘッドで流したボールを巧みにトラップし、そのまま冷静に右足で流し込んだ)1点目こそアート。芸術的な先制点だったと思います」

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

※『週刊サッカーダイジェスト』2013年9月24日号より転載。
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