コケをベンチの近くに置いたシメオネの考え
私は「アトレティコはFWジエゴ・コスタを先発させる」と読んでいました。相手とガチャガチャやりあって前線でがんばるのは、モラタよりも適任だからです。彼はいい意味で相手に間違いを起こさせることができます。それから、直前のセビージャとのリーグ戦でスタメン起用したジョレンテを先発させて、「中盤にボランチを4枚並べるんじゃないか」と予想していたけど、右サイドにはアタッカーのコレアを使ってきました。
しかも、スタート時の中盤の配置は、最近減ってきている本来サイドハーフのコケを真ん中にして、いつもはボランチのサウールを左サイドに置く形でした。並びは左からサウール、トーマス、コケ。普段どおりなら、コケをサイドに据えるはずなんです。しかし、前半の「27分46秒」のスローインで、シメオネ監督はキャプテンのコケに指示を送り、サウールとポジションを入れ替えました。いつもの形に戻したんです
どうしてこの試合に限って、シメオネ監督はコケを中央に起用したのか?
ここにシメオネ監督のこの試合における戦略が詰まっています。まず、彼の頭の中では「前半をどう乗り切るか」が大きな目標としてポイントにあったと思います。とにかく早い時間帯での失点は避けたい。このゲームを2回見直しましたけど、スタート時の並びに対して戦術的な意図はないように見えました。
つまり、コケが真ん中にいることで「明らかにいつもと違う守備をしているのか」と問われたら、特にないんですよね。
また、攻撃時もサウールが下りてきてトーマスとコケとでトリプルボランチ気味になり、両サイドバックが高い位置を取っていました。そのとき、Jフェリックスとコレアが2シャドーのようになっていました。「2-3-2-2-1」のような可変システムになるのですが、だったら通常時のサウールがボランチのときにこれができないかと聞かれたらできるんですよね。
でも、この采配が試合結果につながっていくんです。
しかも、スタート時の中盤の配置は、最近減ってきている本来サイドハーフのコケを真ん中にして、いつもはボランチのサウールを左サイドに置く形でした。並びは左からサウール、トーマス、コケ。普段どおりなら、コケをサイドに据えるはずなんです。しかし、前半の「27分46秒」のスローインで、シメオネ監督はキャプテンのコケに指示を送り、サウールとポジションを入れ替えました。いつもの形に戻したんです
どうしてこの試合に限って、シメオネ監督はコケを中央に起用したのか?
ここにシメオネ監督のこの試合における戦略が詰まっています。まず、彼の頭の中では「前半をどう乗り切るか」が大きな目標としてポイントにあったと思います。とにかく早い時間帯での失点は避けたい。このゲームを2回見直しましたけど、スタート時の並びに対して戦術的な意図はないように見えました。
つまり、コケが真ん中にいることで「明らかにいつもと違う守備をしているのか」と問われたら、特にないんですよね。
また、攻撃時もサウールが下りてきてトーマスとコケとでトリプルボランチ気味になり、両サイドバックが高い位置を取っていました。そのとき、Jフェリックスとコレアが2シャドーのようになっていました。「2-3-2-2-1」のような可変システムになるのですが、だったら通常時のサウールがボランチのときにこれができないかと聞かれたらできるんですよね。
でも、この采配が試合結果につながっていくんです。
シメオネ監督の試合中の声かけや仕草に目を向けると、ずっとコケに指示しています。要するに、「自分の声が通る場所にコケを置いておきたかった」のではないか、と。監督就任以来ずっと使い続け、いまではキャプテンを任せている選手です。立ち上がりから「どうなるか行方がわからない」この試合では、自分の代弁者であるコケを近くに置いておきたかったのではないか、と。
「前半30分」という重要な時間に、自分の指示一つでその意図を汲み、チーム全体にそれを一本通すことができる選手を近くに置いておきたかった。
だから、コケを右のボランチにしたのだと思います。あくまで私の想像ですが、それ以外に適当な答えが見出せませんでした。30分以降、コケが左サイドに移ってからはいつもどおりゲームが進んでいく中で、シメオネ監督は事前に用意した戦略と目の前で起きている試合状況とをかけ合わせて采配を振るっていました。
結局は前半終了間際に失点しましたが、ハーフタイムを挟むのでチームとして心の修正ができるんです。延長の末、アトレティコが勝ったので、結果からすればシメオネ監督のスタート時の采配は当たったということになります。
もちろんすべてを事前に予想して読んでわかっていたわけではありませんが、少なくとも「前半30分を無失点で乗り切ればなんとかなるのではないか」という希望的観測は達成できたわけですから、やはりCLを勝ち抜くには監督の力は大きいと実感しました。
「前半30分」という重要な時間に、自分の指示一つでその意図を汲み、チーム全体にそれを一本通すことができる選手を近くに置いておきたかった。
だから、コケを右のボランチにしたのだと思います。あくまで私の想像ですが、それ以外に適当な答えが見出せませんでした。30分以降、コケが左サイドに移ってからはいつもどおりゲームが進んでいく中で、シメオネ監督は事前に用意した戦略と目の前で起きている試合状況とをかけ合わせて采配を振るっていました。
結局は前半終了間際に失点しましたが、ハーフタイムを挟むのでチームとして心の修正ができるんです。延長の末、アトレティコが勝ったので、結果からすればシメオネ監督のスタート時の采配は当たったということになります。
もちろんすべてを事前に予想して読んでわかっていたわけではありませんが、少なくとも「前半30分を無失点で乗り切ればなんとかなるのではないか」という希望的観測は達成できたわけですから、やはりCLを勝ち抜くには監督の力は大きいと実感しました。