【横浜】「やっぱり届かないスタメン」それでも遠藤渓太が無心で戦い続ける理由

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2020年02月09日

「『こいつを使わないと』っていう風に思わせたい」

今夏には東京五輪も控えている。4年に一度のビッグイベントに出場して、活躍するためにも、まずは横浜での奮起と成長が必要だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 だが、ベンチスタートという立場もまた変わっていない。今オフにマテウスが名古屋にレンタルバックしても、遠藤は左ウイングの序列を覆せずにいる。神戸戦では新戦力のオナイウ阿道がCFで先発し、昨季はこのポジションでレギュラーを張っていたエリキが、左ウイングでスタメン起用された。

 こうした現状を遠藤自身はどう捉えているのか。

「キャンプでのパフォーマンスは悪くなかったと思う。それでも、やっぱり届かないF・マリノスのスタメンなのかなって。そう思わないと、自分の中では納得できない」

 悔しさは当然、ある。「なんでだよ」という苛立ちがないわけではないが、ネガティブな感情は一切ない。

「そういったものを乗り越えて、強くなれると思うから」

 自分の実力を客観視する冷静さもある。「じゃあ、自分がスタメンを取るために、今日の試合で圧倒的なパフォーマンスを示したかと言われれば、そうではないし」と認める。

 それだけに、「もっともっとやるしかない」と気合いを入れる。アンジェ・ポステコグルー監督の存在も大きい。不断の努力を続けられるのは、「そういうところを監督が見ていないかと言ったら、そんなことはないと思うし。そう信じて僕はプレーしているから」と信頼を口にする。
 
「だから、去年以上の活躍を示して、『こいつを使わないと』っていう風に思わせたい。それが今の自分のモチベーション、ですかね」

 不安がないわけではない。常にゴールやアシストといったアピールにつながる結果を出せる保証はどこにもない。それは本人が一番理解している。与えられたチャンスを活かせなければ、3番手、4番手にランクダウンする可能性はある。「タフな戦い」と表現する遠藤は「でも、それを越えた先に、いろんなものが見えてくるはず」と表情を引き締める。

「ライバルがいないチームで試合に出ても、満足感も幸福感もないと思う。結果を残し続けて、価値を証明できればいい。一つずつ乗り越えていきたい」

 野心、希望、向上心、危機感……様々な感情を原動力に、目の前に続く険しい道を突き進んでいく。その覚悟はできている。

取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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