「自分のところに入ったら、頼んだ、みたいな」

天皇杯ラウンド16の鹿島戦では、得点もアシストもなかった遠藤だが、切れ味鋭いドリブルで敵を翻弄するシーンも。身体はキレているだけに、思い切った仕掛けをもっと見せてほしい。(C)SOCCER DIGEST
[天皇杯ラウンド16]鹿島4-1横浜/9月25日/カシマ
身体のキレは悪くない。むしろ、良い。横浜の左ウイング、遠藤渓太はシーズンも終盤戦に突入しつつあるなか、状態がさらに上がってきている印象だ。
鹿島との天皇杯ラウンド16、横浜は1-4の完敗を喫したが、遠藤のパフォーマンスはまずまずだった。
敵陣のニアゾーンに侵入し、鮮やかなキックフェイントで対峙するDFを翻弄してみせる。前半のある場面では、縦に仕掛けたが抜けきれず、後ろに下げようかという素振りを見せた瞬間、急速にターンして再度、突破を試みる。これはやや強引な感もあり、ボールもゴールラインを割ってしまったが、アタッカーとしての成長と気概が感じられるワンプレーだった。
「このチームは、ウイングの出来がすごく大事。そのシーンでは、自分のところでやり切らないと、って思っていて。切り替えして、SBに下げても何も変わらないと思った。強引にでも自分が行こうと」
強い責任感の表われでもあったが、一方では「周りと連係できるシーンもあったし、賢くやれば相手のDFももっと嫌だったはず」という反省もある。
自分で行くべきか。周りを使うべきか。そのジレンマが少なからずあるようだ。振り返れば、ああしておけばよかった、と思うことも。
とはいえ、たとえ単独の仕掛けが失敗に終わったとしても、そもそも今の横浜にとり、遠藤の突破力がひとつの大きな武器であるのは事実であり、遠藤自身も「自分のところに入ったら、頼んだ、みたいな」と、周囲からの期待を感じている。
身体のキレは悪くない。むしろ、良い。横浜の左ウイング、遠藤渓太はシーズンも終盤戦に突入しつつあるなか、状態がさらに上がってきている印象だ。
鹿島との天皇杯ラウンド16、横浜は1-4の完敗を喫したが、遠藤のパフォーマンスはまずまずだった。
敵陣のニアゾーンに侵入し、鮮やかなキックフェイントで対峙するDFを翻弄してみせる。前半のある場面では、縦に仕掛けたが抜けきれず、後ろに下げようかという素振りを見せた瞬間、急速にターンして再度、突破を試みる。これはやや強引な感もあり、ボールもゴールラインを割ってしまったが、アタッカーとしての成長と気概が感じられるワンプレーだった。
「このチームは、ウイングの出来がすごく大事。そのシーンでは、自分のところでやり切らないと、って思っていて。切り替えして、SBに下げても何も変わらないと思った。強引にでも自分が行こうと」
強い責任感の表われでもあったが、一方では「周りと連係できるシーンもあったし、賢くやれば相手のDFももっと嫌だったはず」という反省もある。
自分で行くべきか。周りを使うべきか。そのジレンマが少なからずあるようだ。振り返れば、ああしておけばよかった、と思うことも。
とはいえ、たとえ単独の仕掛けが失敗に終わったとしても、そもそも今の横浜にとり、遠藤の突破力がひとつの大きな武器であるのは事実であり、遠藤自身も「自分のところに入ったら、頼んだ、みたいな」と、周囲からの期待を感じている。
だからこそ、“やらなければ”と思うし、自分のプレーや判断を悔やんだりもする。
「何回か今日も、自分ところまでボールを運んできてくれて、あとは自分次第というところもあったけど、シュートに行くシーンが少なかった」
「(周りを使わないなら)自分でクロスを“上げ切る”とか、シュートを“打ち切る”とか。そういうプレーを見せないと意味がない」
「今日みたいなプレーではチームは回らない。人一倍、何かをしなければいけなかった」
そうした強い思いが、ともすれば視野を狭くしてしまい、判断を鈍らせるかもしれない。ただ、今はそれでもいいのではないか。遠藤自身は「賢くやれば」と言うが、考え過ぎてプレーのスケールが小さくなってしまうことだけは避けたい。
もちろん、理想は「仕掛ける」と「周りを使う」の効果的な併用であり、チームに迷惑がかかるような独り善がりなプレーは論外だが、身体にキレがある時こそ、思い切って仕掛けて、自分の武器を磨いてほしい。それが結局はチームのためにもなる。東京五輪で金メダルを目指すなら、なおさらスキルアップが必要だ。世界で勝つためにも、個の力を高めることの重要性は、2017年のU-20ワールドカップを含め、多くの国際舞台を経験している遠藤本人が一番理解しているはずだ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTO】(祝)仲川10ゴール!&3連勝で首位に迫る横浜FMの喜びギャラリー!
「何回か今日も、自分ところまでボールを運んできてくれて、あとは自分次第というところもあったけど、シュートに行くシーンが少なかった」
「(周りを使わないなら)自分でクロスを“上げ切る”とか、シュートを“打ち切る”とか。そういうプレーを見せないと意味がない」
「今日みたいなプレーではチームは回らない。人一倍、何かをしなければいけなかった」
そうした強い思いが、ともすれば視野を狭くしてしまい、判断を鈍らせるかもしれない。ただ、今はそれでもいいのではないか。遠藤自身は「賢くやれば」と言うが、考え過ぎてプレーのスケールが小さくなってしまうことだけは避けたい。
もちろん、理想は「仕掛ける」と「周りを使う」の効果的な併用であり、チームに迷惑がかかるような独り善がりなプレーは論外だが、身体にキレがある時こそ、思い切って仕掛けて、自分の武器を磨いてほしい。それが結局はチームのためにもなる。東京五輪で金メダルを目指すなら、なおさらスキルアップが必要だ。世界で勝つためにも、個の力を高めることの重要性は、2017年のU-20ワールドカップを含め、多くの国際舞台を経験している遠藤本人が一番理解しているはずだ。
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
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