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「未来を担う選手たちに…」名門・市立船橋、3年ぶりの選手権は初戦敗退――それでもこの経験は無駄ではない

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2020年01月02日

3年ぶりの選手権が伝統校に残すモノとは

試合後選手たちは、悔しさを露わにした。写真:徳原隆元

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 3年ぶりの選手権は、2008年度以来となる未勝利で幕を閉じた。ただ、久しぶりに全国の舞台を経験したことは、チームにとって大きな意味がある。
 
 今季の市立船橋は立ち上げから様々な困難に直面した。一時代を築いた朝岡隆蔵監督(現ジェフ千葉U-18監督)が退任し、昨年4月に同校OBでコーチの波多監督が就任。新参の将は前任者の作り上げたサッカーを残しながらも、「勝負へのこだわりは絶対に外してはいけない」と“市船”の伝統継承を誓った。
 
 だが、プレミアリーグEASTではキャプテンの町田雄亮(3年)の負傷離脱も響き、前半戦は下位に低迷。6月のインターハイ予選でも準決勝で敗退し、9年ぶりに全国行きを逃すと、一時チームは空中分解をしかけた。選手たちは戦術的なトレーニングを多く取り入れていた朝岡前監督と比較し、徹底的に勝負にフォーカスする波多監督へ不満が出ることもあったという。
 
 一方で指揮官もプレッシャーを感じながらも采配を振るい、結果を出すことに苦心。「朝岡さんに相談したい時もあったけど、それだけはできない」と助けを求めず、自力でチームの立て直しを試みた。
 
 その中で潮目が変わったのは9月15日、プレミアリーグEASTの13節・柏レイソルU-18戦。1−4の大敗を喫すると、1時間半に及ぶ青空ミーティングで互いが意見をぶつけ合った。この衝突を機にチームは再び団結。選手権まで右肩上がりで結果を残し続けた。苦しみながらも、全国まで勝ち上がって来たのは何事に変えられない財産だ。
 
 とはいえ、最後の選手権は勝負弱さを露呈し、“市立船橋らしい”戦いは見せられなかったのも事実。畑は「自分はこれだけしかできないんだと感じた。悔しいとかよりも情けない。もっとシュートを打ちに行けば良かった…」と話し、鈴木は「みんなで日本一を取ろうと話してきた。今年はいろんなことがあった中で、全国まで来たのに一番大事な舞台で自分がやっぱり何もできなくて、『いつも通りのプレーをしよう』とみんなに言ってきたのに自分が一番できていなかった。本当にみんなに迷惑をかけた。自分のせいです」と反省の言葉を口にした。
 
 しかし、後輩たちが3年間遠ざかっていた冬の檜舞台を経験したことは次につながるはず。
 
「残っている1、2年生や、これから市立船橋の未来を担う選手たちに伝えます」(波多監督)。選手権を知った“市船”にとって、初戦敗退は無駄ではない。
 
取材・文●松尾祐希(フリーライター)

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