一方、ロドリゴがチームにもたらしている効果は、バルベルデとはまた異なる。彼の素晴らしいところは持ち前の多彩なテクニックや豊富なプレーイメージと創造性を活かして、ゴール前で状況に応じてプレーの選択を変えることができるセンスの高さにある。

　とりわけ驚きだったのが、デビュー早々にマドリーのプレースタイルにフィットしたこと。この年齢でここまでマドリー仕様のプレーを見せる選手は近年記憶になく、だからこそジネディーヌ・ジダン監督、チームメイト、そしてファンもまったく違和感を覚えないほどの自然体の振る舞いで自らの個性を発揮できるのだろう。

　ラ・リーガ第13節、マドリーはエイバルから会心の内容で勝利（４－０）を収めた。スピード、インスピレ―ション、チームプレー、エネルギーが高次元で融合したそのフットボールは、開幕から低空飛行を続けていたチームとは思えないほどの力強さとクオリティーがあり、今後に期待を抱かせるに十分だった。

　そしてそのチームの上昇気流に開幕前ノーマークだった若手２人が寄与したというのもまた、フットボールの意外性が持つ魅力の一つなのであろう。

文●サンティアゴ・セグロラ（エル・パイス紙）
翻訳●下村正幸

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