タジキスタン戦で先発もあるか!? 成長著しいCB畠中槙之輔が渇望する「ステップアップ」

カテゴリ:日本代表

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年10月13日

スペイン人指揮官の下、かつての自分を取り戻す

東京Vではロティーナ監督(現C大阪監督)との出会いが大きかったという。「CBがつなぐ重要性を教えてもらいました」。(C)SOCCER DIGEST

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 そして翌年の17年に東京Vに復帰。古巣の新監督には、スペイン人指揮官のロティーナ(現セレッソ大阪監督)が就任していたが、「ロティーナと出会って、自分のプレースタイルも確立された」と、この智将との出会いがターニングポイントになる。

 畠中というCBのストロングポイントを挙げるとすれば、真っ先に思い浮かぶのが、攻撃の第一歩にもなる縦パスだろう。元々、10代の頃から後方からの配給は得意で、自分が育った環境も良かった。

「育成年代では、自分たち(東京Vの下部組織)はけっこう強いほうだと思っていて、言い方は悪いかもしれないですけど、余裕でボールを回せるみたいな」

 ボールを支配できるチームで、パスのスキルに磨きをかけた。

 ただ、プロになってからは、先述したとおり、試合にさえ出られない日々が続き、自分の武器を披露する場も、自信も失っていく。それでも、町田で復活の兆しを見せて、そして“ボールを握る”ことを重視するロティーナ監督の指導を受けて、かつての自分を取り戻すことになる。

「CBがつなぐ重要性を教えてもらいました」

 パス出しは得意だったはずだが、「久しく縦パスとか入れてなかったから、ちょっと感覚も忘れていて」、当初はつなぎのところで戸惑うこともあった。
 
 だが徐々にロティーナ戦術を体現できるようになっていく。同じチームにいた永田充の存在も大きかった。
「パス出しとか、すごく上手くて。それを見て、長短のボールを使い分けることを覚えました」

 この17年シーズンは27試合・2得点の成績を残す。コンスタントに試合に絡んで、ようやく自分らしいプレーを出せるようにもなった。
「そこからですね、配給が武器って、自分でも言えるようになったのは」

 さらに、ロティーナ監督の下では、ボールを受ける前の効果的なポジショニングも学んだ。相手のFWとサイドにいる選手のちょうど中間あたりに位置取るようにする。どっちが畠中にプレスをかけに行くのか。相手のその判断を惑わすようなポジショニングを心がけた。

 そうすることで、マイボールにした後の行動がスムーズにもなる。畠中はオフ・ザ・ボールの時、頻繁に首を振って周りを確認しているが、それはパスの受け手を探しているというより、相手を見ているという。

「どっちかと言えば、自分にプレスをかけにきそうな相手を見ていますね。その状況次第で、中に絞ったり、外に開いたりして。それで相手が食いついてくればスペースが空くし、こなければ自分で運べるので」

 CBとして、できることが増えた17年シーズンでもあった。町田を経て、プロでやっていけるという自信が確信へと変わっていった。
 
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