【横浜担当コラム】「点」と「点」が「線」にならず…歯がゆさを感じる完敗

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェスト)

2019年09月26日

「もう、自分たち次第だったと思う」(喜田)

鹿島相手に4失点を喫し、天皇杯はラウンド16で敗退。大きな成果を手にするためには、こうした敗戦の悔しさを糧にするしかない。写真:徳原隆元

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[天皇杯ラウンド16]鹿島4-1横浜/9月25日/カシマ
 
 理想的な試合の入り方だった。自慢のポゼッションでボールを支配し、奪われても即座に攻守を切り替え、球際でも激しく戦って奪い返し、攻め込んでいく。ゲームの主導権を握っていたのは、間違いなく横浜だった。この流れで押し込めれば……という矢先だった。
 
 13分、鹿島の永木亮太のたった1本のロングパスで簡単に最終ラインの背後を突かれると、そのまま中村充孝に持ち込まれて、先制点を献上。ワンチャンスを見事にモノにされた。22分にはエリキのPKで同点に追いつくも、その8分後に再び、中村に勝ち越し弾を許し、前半終了間際には三度、中村にゴールを割られる。
 
 前半だけで1-3。2点のビハインドを背負って臨んだ後半は、さらに攻撃の強度を上げたが、あと一歩が足りない。攻めあぐねていると、77分には元チームメイトの伊藤翔にとどめの4点目を決められて万事休す。文字通りの完敗を喫した。
 
 もっとも、1-4のスコアが示すほど、鹿島との実力差があったとは思えない。ボールを握ることにこだわり、積極果敢に前に出ていこうとする持ち前の攻撃サッカーは、最後まで貫かれていた。それなりに惜しいチャンスも作れていたが、それでも勝てなかったのは、簡単に言ってしまえば、フィニッシュに至るまでの質が足りなかったから。チーム全体でイージーなミスも散見され、鹿島の手堅い守備とシンプルかつ効率の良い攻撃の前に敗れた。
 
『アタッキング・フットボール』を掲げるアンジェ・ポステコグルー監督の就任2年目、目指すべきスタイルは着実に浸透している。今回の鹿島戦は、リーグ戦から少なからずメンバーが入れ替わり、いつもの迫力や練度が乏しかったかもしれないが、選手たちが体現しようとしているサッカーに、そこまで大きなズレはなかった。
 
 問題は、個々がアグレッシブに前にボールを運ぼうとする姿勢は見せているのだが、そうした「点」と「点」がなかなか「線」になっていなかったところにある。敵の陣形を動かすショートパスやポゼッションのテンポを上げるサポート、誰かのフリーランで空いたスペースに入り込む3人目の動きなどが、いつもより欠けていたように思う。
 
 押し込んでいるように見えて、効果的な崩しが少なく、そこまで相手を慌てさせることができていなかった。ボールを支配下に置いている以上、選択肢はいくつかあるはずなのに、それを整理できていなかったり、最適なセレクトができず、思うように局面を打開できない。
 
「もう、自分たち次第だったと思うし、細かいミスも自分たち次第でどうにかできるし。まあ、だから……」
 
 言葉に詰まる喜田拓也に「歯がゆい?」と訊けば、トリコロールの腕章を託されているボランチは、こちらの問いかけを否定しなかった。
 
 力がなかったわけではない。力があるからこその悔しい敗戦だった。いつもより険しい表情を見せていた喜田は、最初の失点に関しても唇を噛む。
 
「あのワンチャンスで決められてしまうっていうところには、まだ隙があると思う。そこには何らかの“メッセージ”があるはず。あれだけ良い入りをしても、一発でひとつ決められてしまうのには、絶対に理由がある。それを探して、解決するのもそうだし、より質を上げていく部分でも尽力していきたい」
 
 大きな成果を手にするためには、勝利で得る自信も必要だが、自分たちの課題を突き付けられる敗戦も糧にしていくしかない。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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