指揮官は「レギュラーを確約されている」と絶大な信頼を寄せる

日本代表から帰還した大迫が負傷でプレーできない状態だったことに激怒し、コパ・アメリカへの派遣を拒んだのもコーフェルト監督(左)の意向が大きかったともいわれる。 (C)Getty Images
今季のブレーメンは、昨シーズンまでエースとして君臨していたマックス・クルゼの移籍で生じた穴を、どう埋めるのかが最大の課題とされている。スポーツディレクターのフランク・バウマンは、その穴を埋める存在として、アウグスブルクのオーストリア代表ミヒャエル・グレゴリッチ獲得に乗り出そうともしていた。
ただ、昨季までのブレーメンは、クルゼが活躍しなければ勝つのが難しいというジレンマが常につきまとっていた。だからこそ、フロリアン・コーフェルト監督が目指すのは、いち選手に依存することから脱却した、「バリエーションが豊富なチーム」だ。そんなコーフェルトにとって、新しい軸となるべき選手が大迫なのだ。つねづね彼は、大迫を高く評価している。
「ユウヤは狭いスペースでもいつでも解決策を見出し、空いたスペースでうまく動くことができる。ゴールを背に向けてプレーするクラシカルなFWではなく、常に裏へ動けるFWだ。非常にクリエイティブで決定的なパスを出せて、自分自身でも決めることができるんだ」
ただ、昨季までのブレーメンは、クルゼが活躍しなければ勝つのが難しいというジレンマが常につきまとっていた。だからこそ、フロリアン・コーフェルト監督が目指すのは、いち選手に依存することから脱却した、「バリエーションが豊富なチーム」だ。そんなコーフェルトにとって、新しい軸となるべき選手が大迫なのだ。つねづね彼は、大迫を高く評価している。
「ユウヤは狭いスペースでもいつでも解決策を見出し、空いたスペースでうまく動くことができる。ゴールを背に向けてプレーするクラシカルなFWではなく、常に裏へ動けるFWだ。非常にクリエイティブで決定的なパスを出せて、自分自身でも決めることができるんだ」
様々な状況・システムに瞬時に対応してみせる大迫は、コーフェルトのアイディアを具現化するために欠かせない存在なのだ。勝利したデルメンホルスト戦後でも、コーフェルトは大迫を絶賛していた。
「ブンデスリーガで違いを生み出せる選手だ。自信を持ち、とても集中してプレーできているんだ。今季はとてもいいシーズンを送ってくれるはず。ユウヤは、私にとってレギュラーが確約されている選手だよ」
指揮官じきじきに定位置を確約された大迫は、今夏は十分なオフを取れたことで、プレシーズンから好調を維持している。
インテリジェンスの高さに加え、クルゼ以上の柔軟性を併せ持つ大迫。彼が、ブンデスリーガどんなプレーを見せてくれるのか、そしてその活躍でチームを上位に導くことができるのだろうか。
今週末に控えるブンデス開幕が、楽しみでならない。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2018-19シーズンからは元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督を務める。「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)執筆。オフシーズンには一時帰国して「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。