今年こそ関東リーグ昇格を――。周囲の期待を一身に受けての2019年シーズンのリーグ開幕。しかし、そこで感じたのは昨シーズンとはまるで違う対戦相手の目つきだった。
 
「それは相対している自分たちが一番感じているので。南葛SCに対して“一発かましたろう”みたいな感じがあります。ある程度予想はしていましたけど、それ以上に試合をうまく運べていない難しさがあります」
 
　キャプテンの目には相手の意気込みが強いことも確かだが、それ以前に、自分たちで試合を難しくしているように映っている。
「今シーズンは元Jリーガーの選手も入ってきて、チームとしてできることが増えました。でも一つ上のプレーに向かっていこうとする中で、噛み合ってない部分が結構あります。そこに昨シーズンとはまた違った難しさがありますね。やれることが増えたぶん複雑になって要求されるレベルも高くなる中で、チームで合わせるケースが増えた結果、上手くいかない場面も増えだしたからだと思います。あとちょっとのところなんですけど」
 
　先日行われた天皇杯の２回戦のように、Jリーグ勢が大学チームやJFLのチームを相手に敗れたり苦戦したりする。それがサッカーだ。だが、なぜそのようなことが起きるのか、話を聞いているとその理由が垣間見える。
 
「今の東京都１部リーグを見渡した時、選手の実績、経歴だけを考えたら、南葛SCが飛び抜けています。ましてや昨シーズン優勝している。となると、東京都１部リーグで戦っていく上で、もう一回チャレンジャー精神を持って立ち向かっていけるかというと、正直難しい部分があります。だから、どこかで受けて立ってしまう。受けて立っても普通にプレーすれば勝てるはずなんですが、それができてないのが現状なんです。相手が果敢に来たら逆に『いなしたろう』というスタンス、メンタリティで対応すれば逆にチャンスは増える。相手が前から来たら“よっしゃ、来た！”と思えばいいのに“やばい、来た”と思ってしまう選手が多いのが今。そこがすごいもどかしいです」