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【エクアドル戦検証】"謎の停滞"で失われた20分…単調さと対応の遅れがGS敗退を招いた一因に

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2019年06月26日

日本の弱点を見定めたエクアドルの効果的な修正

 しかし、後半のエクアドルは、8番グルエソと18番オレフエラを並べ、ダブルボランチに変える。バイタルエリアを埋め、日本の狙いを防ぐ。的確な修正だった。
 
 次に、システム変更のふたつめの狙い。それはサイド攻撃をより深く突き刺すことだろう。
 
 前述した通り、前半はサイドバック4番のベラスコが厄介な選手だった。日本の両サイドハーフ、中島と三好は、中盤の守備には入るが、最終ラインまでは下がらない。特に中島はその傾向が強い。だから前半、高い位置へ上がるサイドバックのベラスコに対し、日本はサイドバックの杉岡大暉がマークを受け取るか、あるいは柴崎や板倉滉がカバーに入り、どうにか対応した。相手サイドバックが高い位置を取ってくると、日本の守備は問題が起きる。
 
 この箇所を、より明確に、両サイドにわたってエクアドルが突き始めたのが、後半の序盤だった。反対サイドでも、サイドバックの6番ラミレスが高い位置を取り、MFとともに2対1を作る。そして大きなサイドチェンジを蹴り、岩田や杉岡を攻め立てる。リスクマネージメントは、ダブルボランチに変えた中盤任せ。サイドバックがともに高い位置へ張り出し、サイドを深く、相手ラインの裏を取って突き崩す。
 

 日本だけでなく、エクアドルも勝たなければ道が開けない。後半、4-1-4-1から4-4-2に変えたのは、そうした攻撃的な狙いが強かったはずだ。エクアドルは前半にうまく機能したポイント、逆に泣きどころ、さらに日本の弱点を見定めた上で、効果的な修正を施してきた。
 
 とはいえ、万能のシステムはない。4-4-2は4-4-2で、当然、弱点はある。日本にとっては、相手が4-1-4-1の前半に比べると、柴崎や板倉がフリーになりやすい。だから縦、縦ではなく、ダブルボランチを経由し、横にボールを回してじっくり攻める。そうやって、高い位置を取ろうとする相手の両サイドを押し下げれば、攻守ともに日本がリズムを奪える……はずだった。
 
 ところが、日本は後半に入っても、前半と同じように縦パス、コンビネーションと、ダイレクトプレーを繰り返す。そこにはダブルボランチが居て、相手は前半よりもコンパクトな陣形にしているが、日本は構わず仕掛け、ボールを失う場面が目立った。相手の陣形が変わっているにもかかわらず、中、中と狭い攻撃を仕掛けすぎた。
 
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