乱入者を食い止めたのは「神の中指」を持つ男。
日本とエクアドルが激闘を繰り広げている真裏で行なわれていたチリとウルグアイの一戦で、騒動が起きた。
現地時間6月24日に行なわれたコパ・アメリカのグループC最終節、ウルグアイとチリの一戦は、試合終盤の82分にエディンソン・カバーニがヘディング弾をねじ込んでウルグアイが1-0で勝利し、首位でベスト8進出を果たした。
すでに決勝トーナメント行きが決定している両チームではあったが、互いに一歩も引かず、随所で激しい肉弾戦が見られた。そのなかでアクシデントが発生したのは、72分のことだった。突如、ピッチ外から鶏の被り物を装着したウルグアイ・サポーターと見られる男が乱入してきたのである。
話題となっているのは、この直後のシーンだ。警備員の追走をかわしてピッチを横断する乱入者をハーフウェーライン付近で、チリのベテランCBゴンサロ・ハラが、足を引っ掛けて食い止める。これを見たウルグアイのルイス・スアレスが“噛みついた”のだ。
スアレスは、瞬間的な速さで主審の下へと詰め寄り、ハラを退場にすべきだというようなジェスチャーを交えて猛抗議をしたのだ。これに他の選手たちも続き、試合は異様なムードとなった。
ハラを始めとするチリの面々は、「乱入者を止めただけだろう」とあきれ気味な表情を浮かべたが、スアレスの抗議には意味があったのだ。というのも、南米サッカー連盟の規約12条に「選手またはその場にいた人に暴行を加えた場合、最低2試合の出場停止処分が下される」と明記してあるのだ。これを32歳のストライカーが知っていたのかは定かではない。ただ、レッドカードに相当するという主張も決してオーバーではないのだ。
現地時間6月24日に行なわれたコパ・アメリカのグループC最終節、ウルグアイとチリの一戦は、試合終盤の82分にエディンソン・カバーニがヘディング弾をねじ込んでウルグアイが1-0で勝利し、首位でベスト8進出を果たした。
すでに決勝トーナメント行きが決定している両チームではあったが、互いに一歩も引かず、随所で激しい肉弾戦が見られた。そのなかでアクシデントが発生したのは、72分のことだった。突如、ピッチ外から鶏の被り物を装着したウルグアイ・サポーターと見られる男が乱入してきたのである。
話題となっているのは、この直後のシーンだ。警備員の追走をかわしてピッチを横断する乱入者をハーフウェーライン付近で、チリのベテランCBゴンサロ・ハラが、足を引っ掛けて食い止める。これを見たウルグアイのルイス・スアレスが“噛みついた”のだ。
スアレスは、瞬間的な速さで主審の下へと詰め寄り、ハラを退場にすべきだというようなジェスチャーを交えて猛抗議をしたのだ。これに他の選手たちも続き、試合は異様なムードとなった。
ハラを始めとするチリの面々は、「乱入者を止めただけだろう」とあきれ気味な表情を浮かべたが、スアレスの抗議には意味があったのだ。というのも、南米サッカー連盟の規約12条に「選手またはその場にいた人に暴行を加えた場合、最低2試合の出場停止処分が下される」と明記してあるのだ。これを32歳のストライカーが知っていたのかは定かではない。ただ、レッドカードに相当するという主張も決してオーバーではないのだ。
結局、主審はレッドカードはおろかイエローカードすら出さずに試合は再開されたが、そもそもウルグアイの面々が、ハラの行為に過剰に反応したのには、浅からぬ因縁が関係している。
2015年にチリで開催されたコパ・アメリカの準々決勝で両国が相まみえた際、ハラがカバーニの肛門に中指を突っ込んで激怒させ、頭突きを受けて、退場に追い込んでいたのだ。
主砲カバーニの退場がウルグアイにダメージを与えたのは、言うまでもない。1-0で勝利したチリは、母国での南米制覇を成し遂げ、ハラの指は「神の指」と崇められるようになった。
そうした因縁があるからこそ、ウルグアイの面々は憎き相手への処分を求めたのだろう。ハラがまたも主役になりそうになったこの試合。決勝ゴールを決めたのは、奇しくもカバーニだった――。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部