香川真司 「潤滑油」として機能するも、高かった王者バイエルンの壁

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2014年11月02日

バイエルンはピッチ幅を広く使ったワイドアタックで反撃。

ロッベンがPKを沈め、バイエルンは逆転。王者の地力を見せつけた。 (C) Getty Images

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 ところが、バイエルンにはそんなドルトムントの攻勢にも屈しない強さがあった。ヴァイデンフェラーを中心としたドルトムントの堅守をこじ開けられずにいたが、70分、マリオ・ゲッツェに代えてフランク・リベリを投入した交代策で、いよいよ反撃に出る。ピッチ幅を存分に広く使ったワイドアタックで圧力をかけると、ネベン・スボティッチのクリアがこぼれたところを、ロベルト・レバンドフスキがミドルシュート。同点に追いつくと、81分、リベリが獲得したPKをロッベンが決めて試合をひっくり返したのである。
 
「速い攻撃は意識をしていました。(ボールを)奪ってからシュートまでのスピードを意識した分、遅攻の点で、ポゼッションしながらのプレーはできなかったですけど、それはやっぱり前でボールの取られ方が悪いと、相手はカウンターも凄いですから。そこはセーフティーにやっていたところもあります」
 
 ドルトムントは、2トップのロイスとオーバメヤン、トップ下の香川に攻撃を任せ、残る7人のフィールドプレーヤーは守備に重きを置きながらプレーした。攻めは縦に速いカウンター、守りは人数をかけて分厚くと、合理化を図ることでバイエルンを苦しめたが、それでも王者は揺るがなかった。
 
「70分過ぎまでこちらにもチャンスがあり、相手の攻撃にも耐えられていたので、(勝負を)モノにできるかなと思っていましたけど、そんなに甘くはなかった」
 そう言って唇を噛んだ香川の表情に、バイエルンの壁の高さがうかがい知れた。
 
取材・文:田嶋康輔
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