香川真司 ルールダービーで見えた「現在地」

カテゴリ:ワールド

田嶋コウスケ

2014年09月28日

2トップで戦った前半より攻撃の流れはスムーズに。

シャルケとのルールダービーはベンチスタート。1点を追う57分に投入された香川は積極的にボールに絡み、攻撃の流れをスムーズにしたが……。 (C) Getty Images

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 ドルトムントは、ほぼ3日おきに試合を消化する過密日程の真っ只中。3日前のシュツットガルト戦に先発フル出場した香川真司は、通算145回目を迎えたシャルケとのルールダービーはターンオーバーでスタメンを外れた。
 
 ウォームアップをする香川に、ユルゲン・クロップ監督から声がかかったのは55分。1-2とリードされた状況でだった。
 
 準備を整えタッチライン際に立ち、指揮官と握手を交わす。熱血漢で知られるクロップ監督は、7番の肩に手を回しながら耳元で指示を出す。うつむきながら頷く香川は最後にポンと肩を叩かれ、57分、ピッチに入った。
 
 前半のドルトムントは、アイデアと厚みのない攻めを繰り返すばかりだった。後半に入ってもそれは変わらず、宿敵と戦うダービーマッチらしく球際の激しさこそあったものの、「個の力」に頼った縦に速い攻撃は単調で工夫がない。26分に奪ったゴールも、ロングボールからアドリアン・ラモスとピエール=エメリク・オーバメヤンのスピードを活かした速攻からの得点で、少なくとも2-0で完勝したアーセナル戦(9月16日のチャンピオンズ・リーグ)のような「連動性」と「迫力」はなかった。
 
 1点を追いかけるクロップ監督は、単調なアタックに変化をつける働きを香川に期待した。前線と中盤を広く動きながら2ライン間のパスワークを円滑にし、フィニッシュにも絡んでゴールをこじ開ける「切り札」として、ピッチに送り出したはずだ。
 
 結論から言えば、クロップのこの目論見は、半分は的中し、半分は外れた。
 
 香川の投入で攻撃に奥行きが生まれたのは確かだ。しかし、同点ゴールは奪えず、ドルトムントは敗れた。
 
 4-2-3-1のトップ下に入った香川は、ボールに絡もうと積極的に動いた。スペースに走り込めば手を上げてパスを求め、狭い局面ではワンタッチでシンプルに捌く。リードするシャルケが自陣に守備ブロックを作ってスペースを消すと、自陣の深い位置まで下がって起点となり、ボールを左右に散らしてリズムを生み出そうと試みる。チーロ・インモービレとラモスの2トップで戦っていた前半よりも、攻撃の流れは間違いなくスムーズになっていた。
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