一時代を築いた名手が続々集結! 北河内からJリーグを目ざすFC TIAMO枚方の“覚悟”

カテゴリ:特集

高村美砂

2019年04月07日

経験豊富なキャリアを備える選手たちが放つ「存在感」

伏見市長(左)との協定締結式に臨んだ村島社長(右)。行政のバックアップも得て、いざJFLへ! 写真:高村美砂

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 チームを束ねる過程において辻本監督が「本当に助かっている」と目を細めるのが、経験豊富なベテラン選手の存在だ。

 就任当初は、彼らが持つプロサッカー選手としての経験値をチームにどう活かすべきか懸念していたそうだが、いまは違う。彼らの立ち居振る舞い、ピッチでの影響力に触れ、絶大な信頼を寄せる。

「彼らは自分のキャリアをひけらかすこともなく、技術的にも、メンタル的にも全選手のいいお手本になってくれていますし、若い選手も彼らの姿から多くのことを学んでくれています。毎日のように、積極的に若い選手にも声を掛け、日々のトレーニングやパフォーマンスについても、ああでもない、こうでもないと議論を交わしながら、いろんなことを発信してチームを一つにしてくれていますしね。もちろん、プロとして十分すぎるキャリアを積んだ彼らがこのステージ、レベルの中に入っていく難しさはあるはずですが、野沢や田中にせよ、二川にせよ、彼らの存在はチームにとってプラスの効果しかない。彼らのピッチ内外での振る舞いを見ていると、僕の仕事がなくなるんじゃないかと思うくらいです(笑)」

 これに対して「自分たちが与えるばかりではない」と話すのは、田中や野沢だ。このチームに加入してからは以前のように『選手』だけに専念できるわけではなく、選手としての活動以外の時間を利用して、クラブが斡旋するアサンプション国際中・高等学校サッカー部でコーチを担当。本当に毎日が充実していると笑顔をみせる。

 
 元日本代表MF、野沢の言葉だ。

「コーチ業もしているという話をすると、過去の僕を知っているひとの多くが『本当に教えられるの?』と不思議がってきます。実際、Jリーグでプレーしていた頃の僕は言葉数も少なかったし、ひとになにかを伝えるとか、自分の考えを言葉で表現することが苦手でした。『ツンデレ』って言いますけど、僕の場合は『デレ』のない『ツン』ばっかりでしたしね(笑)。

 でもTIAMOが自分を変えてくれたというか。いまは本気でこのチームを最終目標であるJリーグに参入させたいと思っていて、それが自分の変化にもつながっている。だからこそ自分にできることはすべてやりたいとも思う。それに、ここにいる選手は本当にみんながサッカーに対して純粋なんです。全員が仕事をしながらサッカーをしているので大変な面もあると思いますけど、みんなサッカーが大好きで、キラキラと目を輝かせてボールを蹴っている。そのチームの一員としてプレーすることで、僕もあらためてサッカーの楽しさを感じているし、本当に毎日が……なんていうか、すごく楽しい。

 もっとも、自分が楽しむためにここにきたわけではなく、チームを勝たせる責任も感じているので、そこは引き続き仲間と一緒に追求していきたいと思います」
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