「今までの相手で一番難しかった」ビジャを困惑させた“エスパルスの包囲網”

カテゴリ:Jリーグ

多田哲平(サッカーダイジェスト)

2019年03月18日

この日の清水の健闘ぶりはビジャの言葉からも分かる。

ボランチで出場した河井は無理のないポジショニングでチームのバランスを整えようと奮闘した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 4節を終えていまだに白星はなく、失点数はリーグ最多の11点に上る。それでも、この日の戦いぶりは選手に小さくない自信を植え付けたのではないだろうか。
 
 実際にキャプテンの竹内は、浮上の手応えを掴んでいることを明かしている。
 
「開幕からいろいろとチャレンジしているところもあったが、そこを突かれて、自分たちの思うようなサッカーを出せなくて歯がゆい想いをしていた。でも、もう一度自分たちのサッカーに返るという意味では、今日は勝てなかったが、これから自信を持ってやれると思う。粘り強さは自分たちのベース。そこがなければ攻撃やコンビネーションは生まれない。そこはみんなで再確認していたから、自分が声を掛けなくてもみんな分かっていた。個人としても組織としても、守備の意識が強かったと思う」

 この日の清水の健闘は、神戸のエース、ダビド・ビジャの言葉からも分かるだろう。
 
「今季ここまでの相手の中で一番難しかった。パスコースも少なかったですし、スペースもあまりなかった。簡単にプレーすることができなかった」
 
 この元スペイン代表FWの対策にも抜かりはなかった。ファン・ソッコと立田悠悟のCBコンビがマークとカバーの役割をお互いにこなし、素早い抜け出しに対処。前節までにひとつの攻撃パターンとなっていた、山口蛍やダンクレーら後方からの縦パスによる崩しを封じた点で、このふたりの働きは大きかった。
 
 もちろんビジャを抑えたとはいえ、勝利できたわけではない。イニエスタに一瞬の隙を突かれて失点を喫したリスクマネジメントの甘さや、ショートカウンターの精度など課題は残されている。ただチームの調子が上向いているのも事実だ。劇的な形で連敗を止めたこの神戸戦をきっかけに浮上するかもしれない。清水の巻き返しに注目したい。

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取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
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