川崎連覇への転機――14節の柏戦に勝った意味と鬼木監督のマネジメント力

カテゴリ:高校・ユース・その他

江藤高志

2018年11月11日

「一気に自信を無くす瞬間だったかもしれない」柏戦で起きたこととは?

 楽しくも堅実なチームはこうして作られていくが、もちろんシーズン中に危機的な状況もあった。鬼木監督が「勝たないといけない試合」と表現したのが14節の柏戦。その直前の2試合で連敗しており、チームは岐路に立たされていた。
 
「針がどっちに振れてもおかしくないようなところだったと思うんですよ。そこで負ければ本当に、一気に自信を無くす瞬間だったかもしれない」という柏戦において「本当に練習はずーっとやってきたけどメンバーに入りきれなくてという状態」だった鈴木雄斗を3枚目の交代カードとして86分にピッチに送り出す。この日がJ1初ベンチだった鈴木にとってJ1のピッチも初めてのこと。その鈴木が投入から6分後の後半アディショナルタイムに決勝点を決める劇的な展開となった。
 
 その姿を見た他選手も頑張れば出番が回ってくるかもと思えた試合となり「チームの士気が上がる瞬間だったかと思います」と鬼木監督は振り返る。鈴木の活躍はもちろん、それ以上に称賛されるべきは鬼木監督の采配力だった。選手の実力を見抜く能力はもちろん、実績のない選手を勝たねばならないところで起用するその勝負勘や胆力は見事だった。
 
 チームを率い、勝てる集団としてまとめる。他チームが失速するなか、マネジメント力に長けた鬼木監督が連覇の栄冠を掴むのはそういう意味で必然的なことだったとも言える。
 
取材・文●江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)
 
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