「移籍市場では勝てない。だから選手育成に力を入れたのがベルギー」
――これまでシント=トロイデンの町に来ても『STVVのある町』という匂いがしませんでした。今は、STVVの旗が増えましたね。
「これは『イエロー・ブルー・プロジェクト(STVVのクラブカラーは黄色を青)』というのをやりまして、試合の招待チケット、スポンサーの紹介パンフレット、旗をみんなで手分けして500軒のお店に配ったんです。旗を配った数に比べると、まだまだ掲げられている旗は少ないですね。
どうしても現地の職員は『配りました』で終わってしまう。『その後のフォローをしようよ』と言ってるんですけれどね。僕らが日本で培った仕事の感覚と、ベルギーの労働の仕方は当然違いますから、『あれやれ、これやれ』と言いすぎると、彼らがパンクしてしまう。本当に時間がゆっくり過ぎていく感じがします」
――もっとテンポよく仕事を進めていきたいと。
「特にビジネスサイドは(仕事のスピードの)差が大きいですよね。サッカーの現場サイドは、そんなに日本とテンポが変わらないんです。それはそうですよね。
先ず試合を中心にして、日々の取り組みがありますので。だから、ビジネスサイドの統率を取るほうが今は大変です」
「これは『イエロー・ブルー・プロジェクト(STVVのクラブカラーは黄色を青)』というのをやりまして、試合の招待チケット、スポンサーの紹介パンフレット、旗をみんなで手分けして500軒のお店に配ったんです。旗を配った数に比べると、まだまだ掲げられている旗は少ないですね。
どうしても現地の職員は『配りました』で終わってしまう。『その後のフォローをしようよ』と言ってるんですけれどね。僕らが日本で培った仕事の感覚と、ベルギーの労働の仕方は当然違いますから、『あれやれ、これやれ』と言いすぎると、彼らがパンクしてしまう。本当に時間がゆっくり過ぎていく感じがします」
――もっとテンポよく仕事を進めていきたいと。
「特にビジネスサイドは(仕事のスピードの)差が大きいですよね。サッカーの現場サイドは、そんなに日本とテンポが変わらないんです。それはそうですよね。
先ず試合を中心にして、日々の取り組みがありますので。だから、ビジネスサイドの統率を取るほうが今は大変です」
――STVVの練習施設は、町の中心から1キロと離れておらず、素晴らしい育成環境ですね。
「育成の考え方として、僕は環境や文化が大きいと思っているんです。ベルギーは周りに大国があって、まともに移籍市場で戦っても勝てないから、育成を中心に動かざるを得ない環境にある。
だから、選手を育成しないといけなくなった。それを上手にやってきました。ここまで大成功ですが、小さい国ですから継続できるかどうかという課題がありますよね。
ベルギーサッカー協会の技術委員長だったクリス(ファン・パウフェルデ。現中国サッカー協会技術委員長)は『自分たちは謙虚になんでも取り込んできた。これで“自分たちの形”を作れず、謙虚さも無くしたら、また元に戻ってしまう』と言ってました。だけど、なんでもかんでも取り込む難しさって、あるじゃないですか。ベルギーには“サッカーの形”がないんじゃないかとか」
――(マルク・)ブライス監督も「ベルジャン・スタイルというものはない」と言ってました。
「そう。ベルギーのサッカーは掴みづらいですよね。例えばオランダには基本の4−3−3がある、といった形が無いんですよ。ブライス監督は3バックも4バックも出来るんですが、システムが2つあると、今度はスカウトがし辛くなる。
今、スカウトを整備しているんですが、どこか主観を持たないと(STVVにとっての)良い選手』という基準を引くのが難しい」