【香川密着・第1回】ハットトリックから1年、香川の現在地

カテゴリ:メガクラブ

田嶋コウスケ

2014年02月26日

プレースタイルとあまりにかけ離れたサッカー観

失点回避を第一とする手堅いモイーズ監督(右)は、もちろん香川にも守備のタスクを要求する。 (C)Getty Images

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 コンディション不良を理由にシーズン序盤はベンチ暮らし。10月23日のチャンピオンズ・リーグ(CL)レアル・ソシエダ戦で好プレーを見せてから出番が増えたものの、12月上旬に体調を崩すと再び先発メンバーから遠ざかる。そして、1月の移籍市場でファン・マヌエル・マタが入団──。プレースタイルもポジションも重なるスペイン代表MFの加入は、日本のナンバー10がモイーズの信頼を掴み切れていない裏返しでもあった。公式戦6試合連続で欠場すると、英紙の紙面でも退団・放出論が目立つようになった。

 ファーガソン時代から一転、モイーズの就任を機にこれほどまで冷遇されるようになった理由は、いったいどこにあるのか。一言で要約すれば、サッカー観の違いだろう。香川のプレースタイルと、スコットランド人指揮官が目指すサッカーは、あまりにかけ離れている。

 ファーガソンから後継者として直々に指名を受けたモイーズは、手堅いサッカーを武器に中堅クラブのエバートンで安定した成績を残してきた。戦術のベースにあるのは、強固な守備と鋭いカウンター。いわゆる“負けにくいサッカー”で11シーズンに渡る長期政権を築き、それが自身の評価へとつながったわけだ。英紙『デイリー・ミラー』でユナイテッド番を務めるマクドネル記者も、モイーズについてこう話している。

「極端な言い方をすれば、モイーズは4-0で勝利するより1-0で手堅く勝つのを好む。どんな形であれ先制点を奪えば、あとは慎重に試合を進める。とにかく、失点することを嫌うんだ」

 たしかに今のユナイテッドは、相手ボールになると4DFと4MFが素早く帰陣し、自陣でブロックを作る。ファーガソン前監督時代より守備位置は深く、帰陣のタイミングも早い。対戦相手が強くなればなるほど、この傾向は強まる。左MFとして出場する機会が多い香川も例に漏れず、相手ボールになると持ち場の左サイドを守備に駆け回る。
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