• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】守備を進化させるのは攻撃への対応、機能させるのは攻撃の姿勢

【小宮良之の日本サッカー兵法書】守備を進化させるのは攻撃への対応、機能させるのは攻撃の姿勢

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年10月29日

長谷部の存在の有無で日本の出来が変わるのは?

日本代表、フランクフルトにおいて代えの利かない存在となっている長谷部。サッカーの本質を最も理解している選手だと言えるだろう。 写真:サッカーダイジェスト写真部

画像を見る

 もっとも、敵もこの点は研究している。バックラインの前に置いたMF、あくまで「線」ではなく「点」でしかない。その両脇は空白になってしまうのだ。そこで攻撃側は、この空白のスペースを狙うようになったのだ。
 
 このように、攻撃と守備が切磋琢磨することで、その戦術は磨かれていく。そこで肝心なのは、戦術を運用する選手である。
 
 ロシア・ワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦。ヴァイッド・ハリルホジッチは、長谷部誠をバックラインの前に置くことで、攻守のバランスを取った。
 
 長谷部はCBを補強し、インサイドハーフやサイドの選手と連係して攻撃を後押しし、セットプレーは常にケアした。技術的なミスはあったが、戦術的には満点に近い出来で、勝利に貢献している。
 
 しかし、長谷部を欠いたサウジアラビア戦、日本の戦術は全く機能しなかった。バックラインの前のスペースへ敵の侵入を許したことにより、必然的に、守備は脆くも破綻することになった。
 
 どんなに堅牢に要塞化しても、落ちない砦はない。攻撃に結び付くような守備の動きができるか。言い換えれば、相手の砦を落とすことができなければ、勝利はおぼつかないのだ。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
【関連記事】
【U-17代表】世にも珍しいスイッチキッカー!?その正体はJ屈指レフティから刺激を受けた古都の司令塔
チャンピオンズ・リーグのアンセムはどんな歌詞? なんと3か国語が入り乱れていた!
ヤングなでしこが北朝鮮を撃破しアジア制覇! 来夏のU-20W杯出場も決定!
【U-17W杯】日本を下したイングランドが優勝! スペイン相手に0-2からの5発で大逆転!
【ブンデス日本人】ケルンは逆転負けで大迫も見せ場なし…香川、酒井、伊藤が出場もチームはいずれも敗北
「ワールドクラスのゴラッソだ!」2戦連続弾の久保裕也に現地メディアが賛辞!
「フランクフルトの謙虚で控えめな英雄」ブンデスリーガ公式HPが長谷部誠を特集!
【現地発】識者が語る「監督ジダン」の凄み。采配100試合で7タイトルはなぜ可能に?

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト ガンナーズを一大特集!
    5月2日発売
    プレミア制覇なるか!?
    進化の最終フェーズへ
    アーセナル
    最強化計画
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ