【現地発】「メッシの本質」は自然体にあり。愛息子の言葉が何よりの源だ

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2017年10月15日

ボールという最高の表現手段を最大の味方にして淡々と。

メッシとアルゼンチン代表は南米予選で結果を残せず、最終節前の段階ではロシア行きに黄色信号が灯っていた。(C)Getty Images

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 ただ、もちろん相当追い込まれていただろうが、そもそもメッシは恐怖を感じるような選手ではない。感情表現に乏しいため誤解される部分もあるが、「パパはまたゴールに行くんだよね」という長男チアゴ君からの挨拶代わりの言葉が、何にも増してのエネルギーになる至極シンプルな人間だ。
 
 ピッチ上のメッシも、常に自然体。そのプレーから垣間見えるのは日常性であり、逆に奇跡や英雄といったゴージャスな言葉とは縁遠い。難しい試合であっても、ボールという最高の表現手段を最大の味方にして淡々とプレーする。上手くいかないときに大袈裟に感情を荒げることもほとんどない。
 
 むしろ我々の脳裏に思い浮かぶのは、2011―12シーズンのCL準決勝2レグ(チェルシー戦)や、2016年コパ・アメリカ・センテナリオ決勝(チリ戦)でPKを失敗した時に見せた何とも寂しそうな表情だ。
 
 そんな日常性を大切にするメッシの一端を示すのが、バルセロナ、アルゼンチン代表という一つのチームに対する忠誠心の高さだ。
 
 かつて一度、バルサ退団に心が傾いていたことはあった。しかし病床に伏す故ティト・ビラノバの言葉を受けてあっさり翻意した。その数年後、一部メディアで恩師ジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティへの移籍合意が伝えられたが、結局その話も自然消滅した。
 
 アルゼンチン代表についても、前述のチリ戦後に突如として代表引退を宣言した。しかしその数か月後には、当時の監督エドガルド・バウサとの数度の話し合いを経て、まるで何事もなかったかのように復帰した。
 
 バルサ、アルゼンチン代表にとって絶対的な大黒柱であり、その圧倒的な存在感はメッシがいないとチームが機能しないのではないかと思わせるほどだ。今年6月のホルヘ・サンパリオの代表監督の就任を機に、その重要性はさらに高まり、チャンスに絡む頻度も増した。
 
 しかしその一方で、新監督の下でも周囲のサポート不足という課題は予選を通して未解決のままだった。本来であれば、チャンスメーク、フィニッシュに専念させたいところであるが、中盤の選手とパス交換するよりも単独で局面を打開しようという気持ちが先立ち、孤立する場面が続いた。
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