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【小宮良之の日本サッカー兵法書】自由競争のサッカー界において失ってはならない「仁義」とは?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年08月15日

「越えるべきではない一線」がある

残るも残らないも選手の自由ではあるが……。写真はグリエーズマン。 (C) Getty Images

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“風雲児”のように扱われるパリSGだが、年俸3000万ユーロ(約38億円)といわれるネイマールに飽き足らず、モナコのFWキリアン・エムバペにも1億8000万ユーロ(約230億円)というオファーを送っている。
 
 ビッグマネーで全てを買い占める――。それは、資本主義社会の自由経済では真っ当な行為なのだが、危険な流れでもある。
 
 プロの世界は弱肉強食だが、仁義がないわけではない。
 
 例えば、バルサはネイマールを失ったことで、アトレティコ・マドリーのアントワーヌ・グリエーズマン獲得に動くという噂もあったが、バルサ関係者は「この夏、補強禁止処分になっているチームの選手には手を出さない」と否定するとともに、敵に塩を送った。
 
 そもそも、それ以前にはグリエーズマン自身が、プレミアリーグのクラブからの好条件のオファーを受けながらも、「チームをこのままにして、自分だけ去ることはできない」と残留を決意しているのだ。
 
 この件では、クラブも選手も、「越えるべきではない一線」があることを理解していた。
 
 しかし、ひとつのクラブが一線を越えることで、仁義なき戦いが勃発する可能性もある。その“戦争”が忌むべきものと承知していても、ドンパチに挑まざるを得ない。面子もあるし、自身の大切な財産を奪われる危険があるからだ。
 
 札束が物を言う――。
 
 それはひとつの真理ではあるが、深刻な事態と隣り合わせのものでもある。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『おれは最後に笑う』(東邦出版)など多数の書籍を出版しており、今年3月にはヘスス・スアレス氏との共著『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』(東邦出版)を上梓した。
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