• トップ
  • ニュース一覧
  • 【小宮良之の日本サッカー兵法書】自由競争のサッカー界において失ってはならない「仁義」とは?

【小宮良之の日本サッカー兵法書】自由競争のサッカー界において失ってはならない「仁義」とは?

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2017年08月15日

1人に法外な金を払えば各所でバランスは崩れる

あり得ないことが現実となった、ネイマールのパリSG入り。超大物が大金で移籍するのは当然であり、夢のある話でもあるが、それがサッカー界全体に悪影響を及ぼすとなると、話は別である。 (C) Getty Images

画像を見る

 サッカーは、プロスポーツとしての経済活動の側面を持っている。

「人に夢を与える」という綺麗事だけでは成り立たない。集客に励み、マーケティングに切り込み、放映権を商品にするということができなかったら、いずれ経営は立ちゆかなくなる。

 それゆえ、サッカーで大金が流れるのは必然と言える。大きなお金が発生するところに、スペクタクルもあるのだろう。
 
 例えば、年俸6億円でヴィッセル神戸が獲得したルーカス・ポドルスキはマスコミを呼び寄せ、ファンの関心を集めている。世界王者のブランドが求心力になっているのだ。
 
 しかし、支出には際限があり、ある一線を越えた途端、危うさに直面することとなる。
 
 チャイナマネーはそのひとつだろう。中国スーパーリーグの各クラブは、「爆買い」といわれる選手獲得に奔走。オスカールがチェルシーから上海上港に移籍した際には、6000万ユーロ(約77億円)もの金が動いた。上海申花がカルロス・テベスに支払う年俸は、50億円近くともいわれる。
 
 そして、選手の実力やリーグのレベルで、明らかな不均衡が生じるようになった。
 
 1人の選手に対して法外な金額を払えば、各所でバランスは崩れる。他の選手も高い年俸を求めるようになり、各クラブによる主力選手の奪い合いが始まる。その価格高騰によって一時的にリーグは華やかなものに映るだろうが、クラブ財政は逼迫し、いつか必ずバブルは弾ける。
 
 この夏、サッカー史上最高額の移籍金2億2200万ユーロ(約284億円)で、ネイマールがバルセロナからパリ・サンジェルマンへ移籍した。
 
 これまでの移籍金額トップ3は、ポール・ポグバ、ガレス・ベイル、クリスチアーノ・ロナウドだったが、いずれも1億ユーロ前後。それと比較しても、ネイマールの移籍金額は“あり得ない”数字である。
 
「ネイマールの契約に関しては、怖さを感じるし、落ち着かない」
 
 セビージャでSDとして名声を高め、今年からローマで強化を担当している“目利き”モンチは警鐘を鳴らす。
 
「サッカー界はどこに向かうのだろうか? と危惧している。バブル経済は必ず破裂するからね。事実、不動産業界は、それで世界的損失を出しているじゃないか。私は(セビージャ時代に)法外な契約をしたことはない。大きなお金が動くのはスペクタクルなニュースだろうが、心配な流れだ」
【関連記事】
「彼とは話したけど…」リバプール主将、コウチーニョの説得に失敗か
元京都のブラジル人MFがフランスへ、いきなり苦境のラニエリの救世主に⁉
ミランが“大遅刻”のバッカを放出へ…新CFはカリニッチで決まり?
バロテッリとレイナの因縁とは? CLプレーオフで激突
バルサがパウリーニョ獲得を発表!「ネイマール・マネー」から約51億円を投下
D・コスタが「カリスマ性がない」とコンテを糾弾! 望む新天地はやはり…
ネイマール、1ゴール・1アシストの鮮烈フランス・デビュー! パリSGの完勝に貢献

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ