不可解だった酒井高のボランチ起用。それでも本人が持ち返った「手土産」とは?

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2017年03月30日

酒井高のボランチ起用は、今回のような緊急事態でもない限り…。

酒井高は「やれと言われたらやりますし、良くしていきたいと思う」とポジティブなコメントを出したが……。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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「蛍が前にいけば自分が残るというのはできていたんですが、攻められてからカバ-できないほどのスペ-スがあった。ボランチがそこを埋めるには、ただ走ればいいんだけど、自分のポジションを留守にするのは難しいので、そこはボランチとしてというよりもチ-ムとしてどう対応するのか。ボ-ルの取りどころをしっかりと意思統一していかないと。個人的には取り切りたいボ-ルを取れなかった」
 
 酒井高の口からは次々と反省の言葉がもれてくる。彼の肩を持つわけではないが、そもそもワールドカップ最終予選の大事な試合でボランチという難しいポジションを、クラブでプレ-しているとはいえ、代表で初めての選手を起用する側に問題がある。遠藤をタイ戦前に急遽招集したのは、いったい何のためだったのか。未招集のボランチで言えば、永木亮太もいただろう。
 
 酒井高には非常にプレッシャ-のかかる重い試合だった。試合に勝ったから良いものの、ボランチでミスして、それが敗因になり、その評価で代表落選になる可能性だってある。
 
 仮にそうなった場合、本職ではない、とやりきれない気持ちになっていただろう。
 
「(今後もボランチは)やれと言われたらやりますし、良くしていきたいと思う。縦への意識はサイドバックでも非常に重要になってくるんで、視野の確保の仕方や、前を見る判断のスピ-ドを高めれることができれば、どっちのポジションにも有効になると思うんでビデオを見て修正し、しっかりやっていきたいです」
 
 いつもは時々、笑みを浮かべながらプレス対応するが、終始表情が硬かった。
 
「ボランチはハセさん」というように、酒井高のボランチというオプションは、今回のような緊急事態でもない限り、採用されることはほぼないだろう。

 酒井高の存在が他のボランチの選手に刺激を与えることになったかどうかも微妙なところだ。だが試合に勝ち、最低限の仕事をこなした。久保裕也らの活躍が刺激になり、ボランチでプレ-したことで改めて長友佑都から左サイドバックのポジションを奪う気持ちに火がついた。それはドイツに持ち帰るには悪くない手土産になったはずだ。

取材・文:佐藤俊(スポーツライター)

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