【J2】若手の勢いに拍車がかかる清水。終盤の失点が続くC大阪は昨季に続き苦難の戦いへ

カテゴリ:Jリーグ

竹中玲央奈

2016年10月04日

前線の能力を最大限に活かした小林監督の采配が勝負を決めた。

C大阪の中盤を支えるソウザ(6番)に、今季11得点を挙げている杉本(右)。C大阪の浮上のきっかけを作れるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 しかし、ここからがドラマの始まりだった。清水は80分に大前に変えて金子翔太を、86分に河井陽介に変えて北川航也を投入。竹内涼をアンカーに移し、途中出場のふたりをトップ下に配置して中央からの攻撃に厚みをかけると、これが見事に奏功する。
 
 89分、ペナルティエリア外中央の狭い位置で金子がキープをしてC大阪守備陣を引きつけ、前方に走り込んできた北川へラストパス。GKと1対1となった北川がこれを冷静に流し込んで同点に。その5分後、先制点のアシスト場所からほど近いところで白崎のくさびを受けた金子がリターンパス。これに反応した白崎が右足を振り抜くと、鋭く一直線にゴールネットに突き刺さった。
 
 そして、試合は終了。ここまで上位陣から勝星をなかなか奪えなかった清水がこの重要な一戦で勝利を収め、勝点を60台に乗せた。
 
「前半からバイタルで受けるのと、飛び出しができることでチャンスが生まれると思っていたが、飛び出せなかった。交代選手がよくやってくれた」と清水の小林伸二監督は4-1-4-1にシステムを変更し、2得点に絡んだ2人の選手を投入した意図を語ったが、白崎や金子、北川らの能力を最大限に活かしたこの采配が勝負を決めたと言って良い。
 
 なによりも、強敵相手に若い選手たちが自らの力で勝点3をもたらしたことは、終盤戦を戦うチームにとって非常に大きな意味がある。
 
 試合終了後、手にしたタオルを強く地面に叩きつけて悔しさを露わにしたC大阪・酒本は「負けられない試合が(これから)続く。去年はうまく切り替えができなかったので、“ここでJ1へ昇格するんだ”という気持ちを見せなければいけない」と危機感を口にした。
 
 ここまで4連勝と波に乗っていたC大阪だが、一方で今季は度重なる終了間際の失点で勝ち星を逃し続け、またも同じ展開から勝点を逃した。
 
「今シーズン何度目か分からない」と関係者も嘆いたが、負けが許されないライバルとの一戦で喫したこの敗北が、今後に尾を引かないか不安なところではある。
 
取材・文:竹中玲央奈(フリーライター)
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