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長嶋茂雄さんは震える左手で「勝つ、勝つ、勝つ」。テストの意味合いが大きいなら、指揮官は軽々しく「勝利」という言葉を口にすべきではなかったのではないか

カテゴリ:日本代表

吉田治良

2025年06月06日

日の丸を背負う以上、負けていい試合などない

終了間際の一発に沈んだ豪州戦。それもサッカーの難しさなのかもしれないが、難しくしたのは自分たちだ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 先日亡くなったミスタープロ野球、長嶋茂雄さんは極度の負けず嫌いとして知られ、どんな試合でも負けることを許さなかった。晩年に体調を崩した後も、サインボールに震える左手で「勝つ、勝つ、勝つ」と書いている。

 そして、何よりもファンを大切にした。選手時代はファンが喜ぶような魅せるプレーを常に心掛け、監督になってからも愛弟子の松井秀喜さんに、「我々にとっては130分の1の試合でも、ファンにとっては一生に一度かもしれない」と、毎試合プレーすることを求めたという。

 オーストラリアに敗れた後、森保監督は、「現地にもたくさんの日本人の方が応援に駆けつけてくれ、『DAZN』を通して応援してくださった方もたくさんいらっしゃるなかで、勝利を届けられなかったことが本当に残念です」と話したが、はたして本当にファンに勝利を届けるための戦いをしただろうか。ベストメンバーが組めない事情はあったにせよ、ここまで極端な人選は、ファンを蔑ろにしてはいなかっただろうか。
 
 そもそも初招集組が7人、3月シリーズから14人もメンバーを入れ替え、多くの主力不在で最終予選に臨んだこと自体が疑問でもある。ちなみにパリ・サンジェルマンのウスマンヌ・デンベレと、バルセロナのラミン・ヤマルは、日本がオーストラリアと戦った同じ日に、それぞれフランス代表とスペイン代表の一員として、UEFAネーションズリーグの準決勝で激闘を演じている(5-4でスペインが勝利)。

 日の丸を背負って戦う以上、負けていい試合など1つもない。それがW杯の最終予選となれば、なおさらだ。「テスト」の意味合いが大きい試合という認識が強くあったのなら、指揮官は軽々しく「勝利」という言葉を口にすべきではなかったのではないか。

 ファン・サポーターを置いてけぼりにし、そして敗れた代償は、もしかしたら新戦力が経験を積んだこと以上に大きいのかもしれない。

文●吉田治良

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