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長嶋茂雄さんは震える左手で「勝つ、勝つ、勝つ」。テストの意味合いが大きいなら、指揮官は軽々しく「勝利」という言葉を口にすべきではなかったのではないか

カテゴリ:日本代表

吉田治良

2025年06月06日

はたして本気で勝とうと思っていたのか

「スタメンほぼ総とっかえ」に踏み切った森保監督。極端な人選はファンを蔑ろにしてはいなかったか。(C)SOCCER DIGEST

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[W杯最終予選]日本 0-1 オーストラリア/6月5日/パーススタジアム

「この試合に勝つんだという強い気持ちを持って、チャレンジすることを忘れずにアグレッシブに戦って、サポーターの皆さんとアウェーの地で勝利を分かち合いたい」

 北中米ワールドカップ・アジア最終予選、敵地でのオーストラリア戦を前に日本代表の森保一監督はそんな風に話していたが、はたして本気で勝とうと思っていたのか、いささか疑問である。

 平河悠、俵積田晃太という初招集組を両ウイングバックで起用するなど、これまでのメンバーから大きく様変わりした、言ってみれば「2・5軍」のようなチームで勝てるほど、最終予選は甘くない。それは森保監督自身が誰よりもよく知っているはずだ。

 2026年の本大会に向けて、新戦力をテストするのは悪くない。むしろ遅すぎると思うくらいだ。けれど、すでに突破を決めているとはいえ、最終予選、しかも難敵オーストラリアとのアウェーゲームでの「スタメンほぼ総とっかえ」には、やはり抵抗がある。

 板倉滉や三笘薫など、長いシーズンの疲労を考慮して今回は多くの欧州組が招集されなかったが、しかしながら、これから本大会までに森保ジャパンが取り組むべきは、彼ら主力と新戦力の融合であるはずだ。レギュラークラスは鎌田大地と町田浩樹だけで、それ以外は丸ごと入れ替える、まるでW杯後の新生日本代表のようなメンバーで戦うことに、はたしてどれだけの意味があったのか。
 
 新戦力の「発掘」ではなく、既存戦力と新戦力の「融合」を促すのであれば、せめてキャプテンの遠藤航はスタメンで使い、たとえば藤田譲瑠チマとの相性をじっくり確認してみたかったし、左サイドは主力級の中村敬斗を起用しても良かった。久保建英の投入は64分だったが、平河、鈴木唯人との連係をもう少し長い時間見たかった。それは、勝つための策でもあったと思う。

 もちろん、序盤から積極的に仕掛けた平河をはじめ、抜擢された選手個々は懸命に存在をアピールしていたし、あらためて日本代表の選手層が厚みを増していることも実感できた。しかし、これだけメンバーが入れ替わってしまうと、さすがに5バックでがっちり守備を固めてきたオーストラリアを崩し切るのは難しい。数日程度のトレーニングではイメージが共有できないから、コンビネーションでフィニッシュまで持ち込むシーンはほぼ皆無だった。

 結果、押し込みながらも点が取れず、終了間際のオーストラリアの一発に沈んだ。それもサッカーの難しさなのかもしれないが、結局、難しくしてしまったのは自分たち自身なのだ。

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