アウェーでのオーストラリア戦。難しい相手であるのは間違いない。それだけに元日本代表MFの小野伸二氏も驚いた。「凄いメンバーで来ましたよね。アウェーのオーストラリア代表戦に。まさか。自分たちも想像していなかった」。

GK：谷晃生、DF：関根大輝、渡辺剛、町田浩樹、MF／FW：佐野海舟、藤田譲瑠チマ、鈴木唯人、大橋祐紀、平河悠、鎌田大地、俵積田晃太

　現地６月５日に行なわれた北中米ワールドカップ・アジア最終予選第９節。森保一監督がスタメンに送り出したのは、そのほとんどが初招集や再招集のメンバーだった。

　フレッシュな面々がアグレッシブに戦ったが、結果は０－１の敗戦。試合後の会見で、指揮官は今回の選手起用について次のように説明する。

「ただベンチで見て、メンバーに入って経験ではなく、最終予選の厳しい戦いのなかで、それぞれの力を見せてもらい、勝利を目ざして戦ってもらうなかで、何ができるのかを見たかった。消化試合ではないこの厳しい戦いのなかで、選手たちは負けた悔しさを持って、成長してもらえればと思っています」
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　新戦力を試すのであれば、ある程度の主軸を残すやり方もあったはず。それでも、あえてそうしなかったのはなぜか。２つの理由があった。

「１つは、これから最強、最高のチームを作って、ワールドカップに向かっていくために、２チーム、３チーム分の戦力が必要だというところがまず１つで、今日の選手起用にしました」

　そしてもう１つ。「主軸を残して組ませたなかで、経験の浅い選手たちのサポートをしながら思い切ってプレーしてもらうということ」は考えていたが、それよりも懸念したのは、「助けてくれるから良いプレーができたということにつながるかもしれない」ということだった。

「日本の戦力として、間違いなく力のある選手たちに来てもらっています。これからの成長の可能性が大きく見込まれる選手に来てもらっているなかで、助けてもらっているからできるではなくて、自分たちの未来を自分たちで切り拓く、代表で生き残っていくためにも力のあるところを、今回組んだ選手のなかで、自分の良さを発揮する、チームとして機能するというところを実践してもらいたかった」

　明確な意図があった。結果にはつながらなかったが、この経験は今後につながっていくはずだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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