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【イタリア人監督の日本評|前編】組織戦術の観点で言えば、これほどオーガナイズされた代表チームは世界でも少ない

カテゴリ:日本代表

ロベルト・ロッシ

2016年06月08日

ポゼッションによって試合をコントロールしようという姿勢は強くない。

ボランチの一方が落ちてきて2CBとトライアングルを形成するメカニズムは、欧州でも攻撃志向の強いチームの間ではスタンダードになっている。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 以下、具体的に日本代表のサッカーを見ていこう。

 システムは4-2-3-1。2試合で多少の入れ替えはあったものの、CBペア(吉田、森重)~2ボランチ(長谷部、柏木)~CF岡崎というセンターライン、そして右SB長友、2列目の異なるポジションでプレーした清武と、チームの骨格をなすメンバーの顔ぶれは固まっている。ここに今回故障で出場機会が限られた香川、本田を加えた8~9人は不動のレギュラーという位置付けだろう。
 
 攻撃のビルドアップは、GKからのリスタート、自陣でのボール奪取からのポジティブトランジション(守→攻の切り替え)のいずれにおいても、後方からグラウンダーのパスをつないでチーム全体を押し上げていくポゼッション志向が基本。
 
 とはいえ、ビルドアップ時にチーム全体のポジションバランスはそれほど重視されておらず、ポゼッションそのものによって試合のリズムをコントロールしようという姿勢は強くない。

 むしろ、ボールの周囲にいるプレーヤーが積極的に動いてマークを外しパスを引き出すことによって、1タッチ、2タッチの速いリズムでボールを動かし素早く敵陣までボールを運ぼうという姿勢、言ってみれば「ダイナミックなポゼッション」が基本だ。
 
 ビルドアップの起点となる2CBが大きく開き、そこに2ボランチの一方が落ちてきてトライアングルを形成、同時に両SBが高い位置にポジションを上げていくというメカニズムは、近年のヨーロッパでも攻撃志向の強いチームの間ではスタンダードになっているやり方。
 
 最終ラインと2ボランチのパス交換は非常にスムーズだ。これは2CBと2ボランチが安定したテクニックを備えているだけでなく、常に動いてマークを外し、少ないタッチ数でシンプルかつ効率的にボールを動かそうという姿勢を持っているため。今回は2試合ともに相手が重心を低めに設定して前線から積極的なプレッシャーをかけてこなかったこともあり、極めてスムーズに敵陣までボールを運ぶことができた。
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