【FC東京】投入直後の衝撃弾。平山相太にゴールが生まれた要因とは?

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2016年04月03日

「今日のゴールが終わりじゃない」(平山)

試合終了後、サポーターと喜びを分かち合う平山。完全復活に向け、さらなる活躍に期待したい。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 平山は次のように話す。

「前田さんは動くと言うか、動くのが好きという話をしていたので、自分は真ん中に待っていようと思いました」

 平山にボールが渡る前、セカンドトップに近かった前田が平山より少し下がった位置で阿部をフォロー。平山が最前線に残り、前田がチャンスメーカー的な役割をこなしたおかげで、連動した攻撃を仕掛けられたのである。

 もうひとつは平山のシンプルなプレーだ。

「FWでプレーしている以上、ゴールが一番大事。自分ができるプレー、できないプレーが現時点でははっきりしている。今はできるプレーをやる」

 シュートシーンを振り返っても、決して難しいプレーはしていない。DFの動きを冷静に見極め、空いているコースへ正確にフィニッシュ。華麗というよりは文字どおり“シンプル”。平山のハイレベルな基本技術が生んだゴールだったと言えるだろう。

 あるいは、あのファーストトラップがすべてだったとの見方もできる。いずれにしても、平山のハイレベルな基本技術は見逃せなかった。

 もっとも、このゴールで復活と謳うのは早計だ。事実、本人もこれからが大切とコメントしている。

「ゴールは良かったけど、これからどうプレーしていくか。昨季も(怪我から)復帰して2試合ですぐ離脱してしまいました。次の試合とかで、どう結果を出すかが大事。今日のゴールが終わりじゃない。今季は離脱せずにやっていきたい」

 名古屋戦は2-2に一旦追いつかれたものの、森重のゴールで再び勝ち越し、3-2でモノにしている。平山が望んでいるのは、この日のように勝利に貢献するゴールを決めることだろう。

 サンダサを契約解除する代わりに、かつて広州恒大(中国)などで活躍したブラジル人ストライカー・ムリキをアル・サッド(カタール)から期限付き移籍で獲得した前線は、前田の存在もありポジション争いが依然として厳しい。そのなかで平山は果たして、レギュラーポジションを奪取できるか。

 平山の「今日のゴールが終わりじゃない」というひと言には、静かなる闘志が込められていた。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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