終了間際の同点ゴールがもたらす心理的影響と究極のドラマ性。

73-74シーズンCL決勝。再試合で圧勝したバイエルは、ここから欧州3連覇を果たした。ちなみに今シーズンも、バイエルンはユベントス相手にドラマチックな同点劇、そして逆転勝利を演じてみせた。 (C) Getty Images

13-14シーズンCL決勝では、何とか逃げ切ろうとしていたA・マドリーを、ラモスのヘッドが奈落の底へ突き落した。 (C) Getty Images
チャンピオンズ・リーグ(CL)では、73-74シーズン決勝のバイエルン対アトレティコ・マドリー戦、延長で後者がリード(得点は後の名将ルイス・アラゴネス)を奪うも、119分にバイエルンはハンス=ゲオルク・シュバルツェンベックが決めて追いつき、再試合に持ち込んだ(4-0で大勝)。
11-12シーズンでは、ホームスタジアムでの決勝戦で先制点を奪ったバイエルンに対し、チェルシーが後半残り2分でのディディエ・ドログバの同点弾で延長戦に持ち込み、最後はPK戦の末に絶対的アウェーの一戦を制し、初の欧州制覇を果たした。
14-15シーズンの決勝では、前半の早い時間帯に先制したA・マドリーに対し、同じ街のライバル、レアル・マドリーは後半アディショナルタイムにセルヒオ・ラモスが値千金の同点ヘッドで決め、延長戦では3点を奪って大逆転勝利を飾っている。
さらに、かつて行なわれていたトヨタカップでは、88年にPSVとナシオナル・モンテビデオ(ウルグアイ)の一戦が延長にもつれ込み、前者が後半にロナルド・クーマンのPKでリードを奪うも、ナシオナルは残り1分でサンティアゴ・オストラサの執念のヘッドで追いついた。
この後、PK戦でも一進一退の攻防が続き、両チーム10人ずつが蹴り合ったが、最後は南米がこの激戦を制した。これはトヨタカップ史上、最も熱い一戦といわれている。
そしてトヨタカップに代わって、新たな世界一クラブ決定戦となったクラブワールドカップでも、09年にドラマは生まれた。
バルセロナ対エストゥディアンテス戦は、不利とされた後者が37分に奪ったマウロ・ボセッリのゴールを守りながら終了の時を待ち続けたが、89分、バルサはペドロのゴールでついに南米王者の堅守の壁をこじ開ける。
そして延長戦に入ってから10分、リオネル・メッシが母国アルゼンチンのクラブから、試合を決める1点を奪い、バルサをクラブ史上初の世界王者に導いた。
これらは同点→延長戦&PK戦という流れだが、終了間際に追いつき、さらにはそのまま逆転してしまったケースも。ここで誰もが思い出すのは、98-99シーズンのCL決勝、いわゆる「カンプ・ノウの奇跡」だろう。
バイエルン1点リードで迎えた後半アディショナルタイム、マンチェスター・ユナイテッドはCKから執念でテディ・シェリンガムが決めて同点にすると、その2分後には再びCKからオレ・グンナー・スールシャールがゴールの天井に突き刺して勝ち越してしまった。
同様の劇的なケースは、11-12シーズンのプレミアリーグ最終節でも見られた。リーグ優勝のためには勝利が必要ながら、QPRに1-2でリードされていたマンチェスター・シティは、アディショナルタイムに入ってようやくエディン・ゼコのヘッドで追いつく。
これでも優勝には手が届かないシティは最後の攻撃を仕掛け、セルヒオ・アグエロが決めた瞬間、ホームスタジアムは耳をつんざく大歓声に包まれ、祝賀会場と化した。他会場では、優勝を確信していたマンチェスター・Uの面々が茫然自失で立ちすくんでいた……。
終了間際であろうがなかろうが、同点ゴールの価値に変わりはないが、それが両チームの選手に与える心理的影響には明らかな違いがあるだろう。そして何より、このドラマチックな一撃は人々を感動、興奮、そして落胆させながら、後世に受け継がれる伝説となる。
11-12シーズンでは、ホームスタジアムでの決勝戦で先制点を奪ったバイエルンに対し、チェルシーが後半残り2分でのディディエ・ドログバの同点弾で延長戦に持ち込み、最後はPK戦の末に絶対的アウェーの一戦を制し、初の欧州制覇を果たした。
14-15シーズンの決勝では、前半の早い時間帯に先制したA・マドリーに対し、同じ街のライバル、レアル・マドリーは後半アディショナルタイムにセルヒオ・ラモスが値千金の同点ヘッドで決め、延長戦では3点を奪って大逆転勝利を飾っている。
さらに、かつて行なわれていたトヨタカップでは、88年にPSVとナシオナル・モンテビデオ(ウルグアイ)の一戦が延長にもつれ込み、前者が後半にロナルド・クーマンのPKでリードを奪うも、ナシオナルは残り1分でサンティアゴ・オストラサの執念のヘッドで追いついた。
この後、PK戦でも一進一退の攻防が続き、両チーム10人ずつが蹴り合ったが、最後は南米がこの激戦を制した。これはトヨタカップ史上、最も熱い一戦といわれている。
そしてトヨタカップに代わって、新たな世界一クラブ決定戦となったクラブワールドカップでも、09年にドラマは生まれた。
バルセロナ対エストゥディアンテス戦は、不利とされた後者が37分に奪ったマウロ・ボセッリのゴールを守りながら終了の時を待ち続けたが、89分、バルサはペドロのゴールでついに南米王者の堅守の壁をこじ開ける。
そして延長戦に入ってから10分、リオネル・メッシが母国アルゼンチンのクラブから、試合を決める1点を奪い、バルサをクラブ史上初の世界王者に導いた。
これらは同点→延長戦&PK戦という流れだが、終了間際に追いつき、さらにはそのまま逆転してしまったケースも。ここで誰もが思い出すのは、98-99シーズンのCL決勝、いわゆる「カンプ・ノウの奇跡」だろう。
バイエルン1点リードで迎えた後半アディショナルタイム、マンチェスター・ユナイテッドはCKから執念でテディ・シェリンガムが決めて同点にすると、その2分後には再びCKからオレ・グンナー・スールシャールがゴールの天井に突き刺して勝ち越してしまった。
同様の劇的なケースは、11-12シーズンのプレミアリーグ最終節でも見られた。リーグ優勝のためには勝利が必要ながら、QPRに1-2でリードされていたマンチェスター・シティは、アディショナルタイムに入ってようやくエディン・ゼコのヘッドで追いつく。
これでも優勝には手が届かないシティは最後の攻撃を仕掛け、セルヒオ・アグエロが決めた瞬間、ホームスタジアムは耳をつんざく大歓声に包まれ、祝賀会場と化した。他会場では、優勝を確信していたマンチェスター・Uの面々が茫然自失で立ちすくんでいた……。
終了間際であろうがなかろうが、同点ゴールの価値に変わりはないが、それが両チームの選手に与える心理的影響には明らかな違いがあるだろう。そして何より、このドラマチックな一撃は人々を感動、興奮、そして落胆させながら、後世に受け継がれる伝説となる。