【ドイツ代表】新システム3-4-3の試行、ゲッツェのゴールなど実り多き強化試合に

カテゴリ:ワールド

中野吉之伴

2016年03月31日

消えつつある伝統の揺るぎない粘り強さ。

2点をリードしながらも徐々に息切れし、91分に逆転されたイングランド戦は地元メディアにも酷評された。どこか気が抜けた戦いぶりに伝統の手堅いスタイルは見る影もなかった。 (C) Getty Images

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 かつて、ドイツといえば「負けないサッカー」の代名詞だった。たとえ魅力的なサッカーはできなくとも、試合運びの狡猾さや相手の長所を消す守備力、90分間尽きない走力で、どんな試合でもしぶとく勝利を重ねていた。
 
 元イングランド代表のガリー・リネカーは「サッカーは22人が90分間戦い、最後にはいつもドイツが勝つスポーツ」と揶揄していたが、これは当時のドイツのイメージを如実に物語っているコメントだ。
 
 時は変わり、今ではドイツもスマートでモダンなサッカーへと変身した。タレント育成プロジェクトが実を結び、優れた人材の輩出に成功。2014年にブラジルの地でワールドカップ優勝というこれ以上ない結果を手にしたことはまだ記憶に新しい。
 
 しかし、華麗さを手に入れた代償か……。ここ数年、あれほど揺るぎなかった粘り強さが、どこかへ消し飛んでしまったような試合が多く見られている。
 
 3月25日にベルリンで行なわれたイングランドとの親善試合は、そうした試合の一つに数えられるだろう。前半は優勢に試合を運びながら、後半は一気に失速しての逆転負け。あまりの不甲斐なさに『ビルト』紙は「助けて! こんな守備じゃ不安ばかりだ」という見出しで批判的な記事を展開した。
 
 この日、キャプテンを務めたサミ・ケディラは「不必要で馬鹿げた負けだ。全員がハードに戦う心構えを見せないといけない」と怒り、トーマス・ミュラーは「テストマッチで全力プレーをするのに迷いがあったのかもしれない。それぞれあと一歩が足らず、受け身になって雑になってしまった」と反省の弁を口にした。
 
 あのリネカーは自身のツイッターで「サッカーは22人が90分で戦い、ドイツが2-0とリードしてからも負けることがあるもの」と呟いていた。
 
 そんなイングランド戦後だけに、3月29日のイタリア戦では全く違う姿をファンに見せる必要があった。4-1で大勝した試合は、完全にテストモードだったイタリアに助けられた面も多くあったが、試合を通してミスが少なくゲームをコントロールできたのは大きな収穫だった。
 
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