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【現地記者の英国通信】古き良き雰囲気のアプトン・パークとの決別は、本当に最良の決断なのか?

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2016年03月11日

アウェーチームを苦しませる最高のスタジアム。

FAカップではリバプールを撃破し、準々決勝でマンチェスター・Uと対戦することが決まったウェストハム。このビッグゲームに勝利し、慣れ親しんだスタジアムに別れを告げることができるだろうか。 (C) Getty Images

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 話を戻そう。リバプール戦の勝利によって、アプトン・パークでのラストマッチは、どうやら5月7日のプレミアリーグ37節のスウォンジー戦ではなく、FAカップ準々決勝のマンチェスター・Uとのビッグゲームになりそうなのだ。この名高いスタジアムの最後を締めくくるに相応しい対戦である。
 
 私が思うに、きっとこの試合のチケットは争奪戦が必至で、ウェストハムの情熱的なファンたちはスタジアムの一部を記念品として持ち帰るだろう。
 
 ウェストハムは私が子どものころ、初めてフットボールのトレーニングをスタートさせたクラブで、アプトン・パークには特別な思い出がたくさんある。
 
 当時、金持ちたちを除いたほとんどの観客が立ち続けて応援している光景を目にし、自分の目を疑ったが、この時から私はウェストハムのファンになり、シーズンチケットも買うようになった。なによりクラブが生涯ウェストハムファンを大切にし、労働階級のファンにチケットを与え続けている姿勢に好感が持てたものだ。
 
 アプトン・パークはピッチとスタンドの距離が近く、ファンの罵声が聞こえやすく、どんなアウェーチームにもプレーのしにくさを感じさせたイングランドでも最高峰のスタジアムだった。それだけにスタジアムを移転するのはとても惜しいと私は思う。
 
 新たにオリンピック・パークに移転するのは、35000人から54000人へと大幅に増加する集客を考えてもメリットがあり、なにより資金繰りが優先される時代の流れでもある。
 
 しかし、古参ファンの多くは、1904年から使用されてきたアプトン・パークの古き良きイングランド・フットボールの雰囲気に未練を残していくはずだ。
 
文:スティーブ・マッケンジー
 

スティーブ・マッケンジー (STEVE MACKENZIE)
profile/1968年6月7日にロンドンに生まれる。ウェストハムとサウサンプトンのユースでのプレー経験があり、とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からサポーターになった。また、スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国の大学で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝に輝く。

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