アブラモビッチはそのプレーに愛想を尽かしはじめている。
チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジは、もはや「エデンの園」ではなくなってしまうのか。
オーナーのロマン・アブラモビッチは、エデン・アザールのあまりにトリッキーでエゴイスティックなドリブルをはじめとした自己満足以外に何ももたらさないプレーに、愛想を尽かしはじめている。
実際、今シーズンのアザールは、ピッチに立っても得意のドリブルが鳴りを潜め、ゴールチャンスを逃し続けている。昨シーズンはプレミアリーグで14ゴール、チャンピオンズ・リーグで3ゴールを挙げた背番号10が、今シーズンはここまで両コンペティションともになんとノーゴール。FAカップで2得点を決めただけなのだ。
波が大きく、継続性に欠け、苛々させるばかりのプレー。パフォーマンスが上向く気配は一向に見られない。1-2で敗れた3月9日のパリSG戦でも、結果は残せなかった。
アブラモビッチは絶対的な信頼を「置く鉄の女」マリーナ・グラノフスカヤにアザールを売りに出すよう、すでに指示を出している。付けた値札は1億ユーロ(約124億円)。もちろん今シーズンの出来では、この金額を出そうというクラブは世界中を探しても皆無だろう。
移籍専門記者によるチェルシーの強化部門解説「マリーナ女史はタフな交渉相手として評判」
しかし、アザールがマーケットに出れば、食指を伸ばすクラブはもちろんいくつもある。マンチェスター・ユナイテッドも間違いなくそのひとつだろう。前チェルシー監督で、来シーズンからオールド・トラフォードのベンチに座る見込みのジョゼ・モウリーニョは、いまだにこの元教え子を買っている。
とはいえ、最も説得力のある噂は、スペインから流れてきている。そう、レアル・マドリーだ。指揮官のジネディーヌ・ジダンがアザールに惚れ込んでいるというのは、もはや周知の事実。フロレンティーノ・ペレス会長が監督の要望に応えようと考えたとしても、何ら不思議はない。しかし、そのためには代わりに大物の放出が不可欠か。イスコか、それともハメス・ロドリゲスか?
いずれにしても確かなのは、アブラモビッチがアザールに飽き飽きしているということ。今夏の目玉商品となるのは間違いない。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
オーナーのロマン・アブラモビッチは、エデン・アザールのあまりにトリッキーでエゴイスティックなドリブルをはじめとした自己満足以外に何ももたらさないプレーに、愛想を尽かしはじめている。
実際、今シーズンのアザールは、ピッチに立っても得意のドリブルが鳴りを潜め、ゴールチャンスを逃し続けている。昨シーズンはプレミアリーグで14ゴール、チャンピオンズ・リーグで3ゴールを挙げた背番号10が、今シーズンはここまで両コンペティションともになんとノーゴール。FAカップで2得点を決めただけなのだ。
波が大きく、継続性に欠け、苛々させるばかりのプレー。パフォーマンスが上向く気配は一向に見られない。1-2で敗れた3月9日のパリSG戦でも、結果は残せなかった。
アブラモビッチは絶対的な信頼を「置く鉄の女」マリーナ・グラノフスカヤにアザールを売りに出すよう、すでに指示を出している。付けた値札は1億ユーロ(約124億円)。もちろん今シーズンの出来では、この金額を出そうというクラブは世界中を探しても皆無だろう。
移籍専門記者によるチェルシーの強化部門解説「マリーナ女史はタフな交渉相手として評判」
しかし、アザールがマーケットに出れば、食指を伸ばすクラブはもちろんいくつもある。マンチェスター・ユナイテッドも間違いなくそのひとつだろう。前チェルシー監督で、来シーズンからオールド・トラフォードのベンチに座る見込みのジョゼ・モウリーニョは、いまだにこの元教え子を買っている。
とはいえ、最も説得力のある噂は、スペインから流れてきている。そう、レアル・マドリーだ。指揮官のジネディーヌ・ジダンがアザールに惚れ込んでいるというのは、もはや周知の事実。フロレンティーノ・ペレス会長が監督の要望に応えようと考えたとしても、何ら不思議はない。しかし、そのためには代わりに大物の放出が不可欠か。イスコか、それともハメス・ロドリゲスか?
いずれにしても確かなのは、アブラモビッチがアザールに飽き飽きしているということ。今夏の目玉商品となるのは間違いない。
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。