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用意周到なスウェーデンには通用せず。ピッチ内の解決力や個人戦術。大健闘のなでしこJに課せられた課題

カテゴリ:女子サッカー

河治良幸

2023年08月14日

敵のプレスに攻撃ルートを誘導され...

世代別代表でも大舞台を経験している藤野。将来有望なタレントたちのさらなる成長に期待したい。(C)Getty Images

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 スウェーデン戦がそれまでの4試合と大きく違っていたのは、対戦相手も同じように日本を研究して、ストロングを消してきたこと、そこにスウェーデンというFIFAランキング3位の実力が加わって、総合的になでしこジャパンを上回ってきたことだ。

 スウェーデンのピーター・イエルハルドソン監督は「スキルのある選手に何をお願いしても、全力で100パーセントを出してくれる。一心同体のチームになっている」と自分たちを語る。

 試合前から、なでしこジャパンがスウェーデンに似ているというのは、スウェーデンのキャプテンであるセンターバックのマグダレナ・エリクソンが語っていた。ここまでの4試合で日本が見せてきた見事なパフォーマンスは、そのままスウェーデンに向けた情報になったことも確かだ。

 東京五輪で3ー1と勝利しているスウェーデンにとって、なでしこジャパンが当時から監督が代わり、戦術的にも組織的にもアップデートしていることをエビデンスで示してしまっていたわけだ。

「我々がきちんとしたポジションさえ見つければ、ミッドフィールドでもかなりプレッシャーをかけられたわけですけど、向こうのセントラルMFをある場所へ行かせようとした。そして右側からアタックした。左側ではまた別のアタックを仕掛けた」
 
 イエルハルドソン監督によると、日本に対していかに守備でプレッシャーをかけるかを注意深く、選手に伝えて準備してきたという。

 特に長谷川唯(マンチェスター・シティ)が日本の司令塔であることは明らかに認識しており、プレスによって攻撃ルートを誘導し、その先でボールを奪ったら、スウェーデンが得意とする右側からのビルドアップで攻め込んでいく。そこに178センチのフリドリ・ ロルフォという“第二ストライカー”が斜めに入り込んでいく。

 日本をしっかりと対策したうえで、自分たちのストロングを発揮するというスウェーデンの戦い方に押されるなかで、なでしこジャパンはキャプテンの熊谷紗希(ローマ)を中心に何とか流れのなかでは耐えたが、そもそもマッチアップで不利のあるセットプレーから失点してしまった。

 こうした流れを見て、改めて日本は池田太監督が植え付けた攻守の連動に、相手の対策をしっかりと乗せることで、はじめてスペインやノルウェーのような強豪を上回れていたということが分かる。しかし、それが用意周到なスウェーデンにそのまま通用しなかったのだ。

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