今大会のパフォーマンスには賛辞が寄せられた。だからこそ、一過性のものにしてはならない。

　オーストラリアとニュージーランドで開催中の女子ワールドカップ準々決勝で、日本代表はスウェーデン代表に１－２と敗れた。今大会これまで４戦全勝だったが、２大会ぶりの準決勝には届かず。ベスト８で姿を消すことになった。

　米紙『The Washington Post』はなでしこジャパンを「規律正しいチーム」と評している。

「連係と礼儀正しさで知られる。ボール、そして感情をコントロールできる選手たちに満ちたチーム。言い換えれば、これが日本チームだ」

　さらに、「多くの面で日本のサッカーは称賛に値する」と賛辞を続け、例として田中美南の振る舞いを挙げた。

「序盤にタナカはボールを失ってピッチに倒された。フィジカルでは日本が不利だ。だが、タナカはすぐに立ち上がった。11分、彼女はまた倒された。近くにいた審判に向けて両腕を広げることもせず、FKのために準備するだけだった。そして数分後にまた押され、ファウルはなし。タナカは再び立ち上がり、無言で仕事に戻った」

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　しかし、日本は前半にビハインドを背負う苦しい展開を余儀なくされた。The Washington Post紙は「スウェーデンが先制すると、試合の感情、そしておそらくはその大きさが日本に響き出す」と指摘。それでも、終盤の反撃ぶりをこのように評価した。

「日本はリズムを取り戻す必要があった。そしてそれをした。時間が進むにつれ、ナデシコは死にかけの患者を救おうと必死な医者のようなパフォーマンスを見せた」

　ただ、その必死のパフォーマンスでも、追いつくには至らなかった。８強で去ることになった日本は、今大会を今後に生かさなければならない。

　The Washington Post紙は、「日本の女性たちは、自分たちのスポーツにとっての未来の健全性のためにプレーしていたかのようだった」と、日本の選手たちが女子サッカー発展のためにも戦っていたと報じている。

「女子サッカー界のトップが世界最大のスポーツイベントのひとつを日本で見られるようにとクラファンを考えなければいけなかったり、連盟が代表チームにシェフをつけたことがわずかな進歩と同等だなんて、まるで笑えてしまうかのようだ。だが、女性たちがピッチでベストになろうと、キャリアの最高潮を達成しようと、そしていまだ平等のために戦っているのは、何もおかしなことではない」

　最後に、同紙は「彼女たちから感じられた生の感情は、ワールドカップの１試合で負けた以上のようだった。もっと大きな何かを失ったかのようだった」と締めくくった。

「ニュージーランドのスタジアムに駆けつけたファンたちは、このチームを信じた。彼女たちは大会を去ることになったが、母国で新たなブームとなることを願っている」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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