コッパ決勝までは進出の可能性高し! 5年ぶりのタイトルは!?

写真は2011年8月6日、北京でインテルを破って(2-1)イタリア・スーパーカップに優勝した時のもの。当時はまだ、ネスタ、T・シウバ、ガットゥーゾ、セードルフ、イブラヒモビッチら、スターを多く擁していた。苦しむ現チームは来夏、クラブに新たなトロフィーをもたらすことができるだろうか。ちなみにコッパ・イタリア準々決勝には、文中の4チームの他、ラツィオ、ユベントス、ナポリ、インテルが駒を進めている。 (C) Getty Images
本田の2016年は、彼自身の出来不出来によるところが大きいが、それ以外の要因にも左右される。まず第1の要因は、やはりミハイロビッチの動向だ。年末の2試合で連勝したにもかかわらず、ベルルスコーニ会長はミハイロビッチの尻を叩くことをやめない。
今後も、ミランベンチが落ち着かないのは簡単に想像できる。そして、ベルルスコーニの性格を知る限り、来年の夏にはまた違う監督がやって来る可能性も十分にある。本田自身の契約も17年の6月に切れるが、とにかく本田は今後、自分と周囲の状況の変化を注意深く見守っていく必要があるだろう。
本田とミハイロビッチは今のところ、良い関係にあるとは言えない。この新指揮官がシーズン初めに彼を使った時、本田はその期待に沿うようなプレーができず、後の構想から外れてしまった。つまり来夏以降、誰が監督になるかによっても、本田の未来は大きく変わる。
第2の要因が、前述したメルカートだ。もしミランが来夏、右サイドにスーパープレーヤーを獲得したなら、当然ながら本田の出番はぐっと減ってしまうだろう。
そして最後にもうひとつ、決して軽んじられないのが第3の要因。それは、ミランの株式売買の行方だ。ベルルスコーニはミスター・ビーへ譲渡を決めたものの、今のところ取引はかなり遅れている。
しかし、もしこの話が完全に実現すれば、本田はアジアのマーケットにおける強力な広告等となり、クラブにとって必要不可欠な存在となることは間違いない。
このように来年の本田は、様々な要因に翻弄されそうだ。しかし前述したように、ここ最近の3か月より悪くなることはないだろう。なにせ、最近はここまでほとんどプレーしていなかったのだ。ミラン自体も、ひどい結果が続いていただけに、もう上がるしかない。
興味深いのは、コッパ・イタリアのこれからだ。
ミランは来年1月半ばに行なわれる準々決勝で、現在セリエAで下から2番目(19位)のカルピと対戦。これに勝つと、続く準決勝で当たるのは、セリエBのアレッサンドリアか、レーガ・プロ(3部)のスペツィアのどちらかとなる。つまり、決勝戦まで進む可能性が高い。
そして優勝すれば、予選なしで来シーズンのヨーロッパリーグに参戦できる。これが、再び欧州の舞台に立つための、最も手っ取り早い手段だ。
ミランが最後にタイトルを勝ち取ったのは、11年8月のイタリア・スーパーカップ。そろそろ、新たな勝利が欲しい。
もし、今シーズン後半にミランが復活をするとすれば、その時はきっと、本田が何らかの貢献を果たしているはずである。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。
今後も、ミランベンチが落ち着かないのは簡単に想像できる。そして、ベルルスコーニの性格を知る限り、来年の夏にはまた違う監督がやって来る可能性も十分にある。本田自身の契約も17年の6月に切れるが、とにかく本田は今後、自分と周囲の状況の変化を注意深く見守っていく必要があるだろう。
本田とミハイロビッチは今のところ、良い関係にあるとは言えない。この新指揮官がシーズン初めに彼を使った時、本田はその期待に沿うようなプレーができず、後の構想から外れてしまった。つまり来夏以降、誰が監督になるかによっても、本田の未来は大きく変わる。
第2の要因が、前述したメルカートだ。もしミランが来夏、右サイドにスーパープレーヤーを獲得したなら、当然ながら本田の出番はぐっと減ってしまうだろう。
そして最後にもうひとつ、決して軽んじられないのが第3の要因。それは、ミランの株式売買の行方だ。ベルルスコーニはミスター・ビーへ譲渡を決めたものの、今のところ取引はかなり遅れている。
しかし、もしこの話が完全に実現すれば、本田はアジアのマーケットにおける強力な広告等となり、クラブにとって必要不可欠な存在となることは間違いない。
このように来年の本田は、様々な要因に翻弄されそうだ。しかし前述したように、ここ最近の3か月より悪くなることはないだろう。なにせ、最近はここまでほとんどプレーしていなかったのだ。ミラン自体も、ひどい結果が続いていただけに、もう上がるしかない。
興味深いのは、コッパ・イタリアのこれからだ。
ミランは来年1月半ばに行なわれる準々決勝で、現在セリエAで下から2番目(19位)のカルピと対戦。これに勝つと、続く準決勝で当たるのは、セリエBのアレッサンドリアか、レーガ・プロ(3部)のスペツィアのどちらかとなる。つまり、決勝戦まで進む可能性が高い。
そして優勝すれば、予選なしで来シーズンのヨーロッパリーグに参戦できる。これが、再び欧州の舞台に立つための、最も手っ取り早い手段だ。
ミランが最後にタイトルを勝ち取ったのは、11年8月のイタリア・スーパーカップ。そろそろ、新たな勝利が欲しい。
もし、今シーズン後半にミランが復活をするとすれば、その時はきっと、本田が何らかの貢献を果たしているはずである。
文:マルコ・パソット(ガゼッタ・デッロ・スポルト紙)
翻訳:利根川晶子
【著者プロフィール】
Marco PASOTTO(マルコ・パソット)/1972年2月20日、トリノ生まれ。95年から『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙で執筆活動を始める。2002年から8年間ウディネーゼを追い、10年より番記者としてミランに密着。ミランとともにある人生を送っている。