【ブンデス現地コラム】強力2トップが躍動!! 輝きを取り戻したレバークーゼン

カテゴリ:連載・コラム

中野吉之伴

2015年12月18日

5-0の大勝。シュミット監督の采配が見事に当たる。

ボルシアMG戦で9節以来の先発復帰を果たしたキースリンク。2得点を挙げる活躍でチームを大勝に導いた。(C)Getty Images

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 アンドレ・シューベルト監督就任後の成績(8勝2分け)ではバイエルンを凌ぐ絶好調ボルシアMGを相手にどこまでやれるか。戦前の予想では苦戦を予想する声が多かったが、終わってみれば5-0の圧勝。今シーズンのベストパフォーマンスで難敵を一蹴したのである。

 輝きを取り戻した要因はどこにあったのか。バルセロナ戦でも見られた闘志溢れるプレーはそのままに、チーム全体が躍動感に溢れ、ボールに対するアプローチも鋭さを増していた。

 スタメンに大きな変化があった点にも注目したい。ドイツ代表FWシュテファン・キースリンクが9節以来の先発復帰を果たし、ハビエル・エルナンデスと2トップを形成したのだ。

 この采配が見事に当たった。運動量に難があったキースリンクが攻守に精力的なプレーを見せたのだ。得意のヘディングで2ゴールを奪ったうえ積極的にボールを引き出して味方の攻め上がりを引き出し、守備では敵DFに果敢なチェイシングを敢行。とりわけ攻撃面での負担が減ったエルナンデスが躍動し、冷静なフィニッシュでハットトリックを達成した。

 キースリンクとエルナンデスの息の合った連係は他の選手にも好影響をもたらした。スペースを得たベララビは持ち前の高速ドリブルで敵守備陣を混乱させ、ケビン・カンプルもバルセロナ戦と同様にキレ味のあるプレーを連発した。
 
 この勝利は、失った自信を取り戻すきっかけになるはずだ。後半戦に向けての課題は、一本調子になりがちな攻撃の改善。冬の移籍市場では、パスワークで攻撃にリズムをもたらす司令塔タイプを確保したい。そのミッションをクリアできれば、上位進出が見えてくるはずだ。
 
文:中野吉之伴
 
【著者プロフィール】
中野吉之伴/ドイツ・フライブルク在住の指導者。09年にドイツ・サッカー連盟公認のA級コーチングライセンス(UEFAのAレベルに相当)を取得。SCフライブルクでの実地研修を経て、現在はFCアウゲンのU-19(U-19の国内リーグ3部)でヘッドコーチを務める。77年7月27日生まれ、秋田県出身。
 
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