1試合平均のボール奪取率はリーグ1位というデータも。
サッスオーロで中核的な存在と言えるのが、クラブ生え抜きで「U-21世代最高のタレント」と評されるファンタジスタのドメニコ・ベラルディ(2得点4アシスト)、そしてドイツ生まれの移民2世でバイエルンのアカデミーで育ったニコラ・サンソーネ(3得点0アシスト)の両ウイングだ。
ベラルディは右サイドを基点に相手の2ライン(DFとMF)間に入り込んでパスを受け、そこから前を向いてのドリブル突破や左足のシュート、創造性溢れるアシストが持ち味だ。
一方、サンソーネはタイミングのいい裏への走り込みによるスルーパスの引き出しを得意としている。
そんなふたりのタレントですらも、個人プレーに走らずにチームの戦術メカニズムの中で機能し、守備のハードワークも厭わないところが、このチームの大きな強みとなっている。
師ゼーマンが志向する‟イケイケ”の攻撃サッカーと異なるのは、攻勢に出た時もネガティブトランジション(攻→守への切り替え)を常に意識した陣形を保ち、ボールを失うと素早いプレッシングでカウンターの芽を摘む守備戦術が徹底されている点だ。
15節終了時点で19得点はリーグ8位タイと平凡だが、14失点はリーグ5位と、むしろ守備の固さが際立っている。1試合平均のボール奪取数は22.3で、リーグ1位というデータもある。
その堅固な守備を支えるリーダーはパオロ・カンナバーロだ。14年1月に追われるようにナポリを去った34歳のCBは、サッスオーロでその強靭なフィジカルと高い経験値を活かした自信あふれるパフォーマンスを見せ、キャリアの晩年を謳歌している。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。
ベラルディは右サイドを基点に相手の2ライン(DFとMF)間に入り込んでパスを受け、そこから前を向いてのドリブル突破や左足のシュート、創造性溢れるアシストが持ち味だ。
一方、サンソーネはタイミングのいい裏への走り込みによるスルーパスの引き出しを得意としている。
そんなふたりのタレントですらも、個人プレーに走らずにチームの戦術メカニズムの中で機能し、守備のハードワークも厭わないところが、このチームの大きな強みとなっている。
師ゼーマンが志向する‟イケイケ”の攻撃サッカーと異なるのは、攻勢に出た時もネガティブトランジション(攻→守への切り替え)を常に意識した陣形を保ち、ボールを失うと素早いプレッシングでカウンターの芽を摘む守備戦術が徹底されている点だ。
15節終了時点で19得点はリーグ8位タイと平凡だが、14失点はリーグ5位と、むしろ守備の固さが際立っている。1試合平均のボール奪取数は22.3で、リーグ1位というデータもある。
その堅固な守備を支えるリーダーはパオロ・カンナバーロだ。14年1月に追われるようにナポリを去った34歳のCBは、サッスオーロでその強靭なフィジカルと高い経験値を活かした自信あふれるパフォーマンスを見せ、キャリアの晩年を謳歌している。
文:片野道郎
【著者プロフィール】
片野道郎/1962年生まれ、仙台市出身。95年からイタリア北部のアレッサンドリアに在住し、翻訳家兼ジャーナリストとして精力的に活動中。カルチョを文化として捉え、その営みを巡ってのフィールドワークを継続発展させる。『ワールドサッカーダイジェスト』では、現役監督のロベルト・ロッシ氏とのコラボによる戦術解説や選手分析が好評を博している。