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【移籍専門記者コラム】イカルディ売却への布石。インテルが猛アタックするボカの逸材カレーリ

カテゴリ:移籍情報

ジャンルカ・ディ・マルツィオ

2015年12月05日

キーマンは代理人と密接な関係を築くSDのアウジリオだ。

マンチーニ監督の戦術にフィットせず、今シーズンはここまで4ゴールと調子が上がらないイカルディ。インテルはその後釜候補としてカレーリに目を付けた。(C)Getty Images

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 それにしても、インテルはなぜチェルシーとの競合で優位に立つことができたのか? キーマンとなったのが、スポーツディレクターのピエロ・アウジリオ。彼がかつてインテルに所属したフィリッペ・コウチーニョ(現リバプール)の代理人であるグスタボ・アリバスと、極めて密接な関係を築いているのだ。
 
 アリバスが共同オーナーのひとりであるイングランドの投資ファンド『ステラー・グループ』は、ボカから約1000万ユーロ(約14億円)でカレーリの保有権を買い取る準備を進めており、その後に最も好条件を出してきたクラブに移籍させようと目論んでいる。そうでなければ“仲のいい友人”、つまりアウジリオにだ。
 
 南米の若いタレントに強い投資ファンド絡みの代理人としては、かつてカルロス・テベスとハビエル・マスチェラーノをウェストハムに移籍させたピニ・ザハウィとキア・ジョーラブシャンの名前が知られている。彼らはチェルシーと深い繋がりを持っている。
 
 一方、アリバスはかつて彼らと一緒に仕事をしていたが、その後に喧嘩別れして、今では大きな対抗勢力に。アルゼンチンの新大統領マウリシオ・マクリ(元ボカ会長)と昵懇の関係にあり、南米市場における影響力は高まる一方だ。
 
 アリバスとアウジリオとの友情はインテルがコウチーニョを獲得した当時(2010年)から続いており、今やカレーリを本当にイタリアに送り込むほどに深まっている。もはやザンパリーニのパレルモには手が出せないだろう。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。選手としては才能に恵まれず、ジャーナリストを志し、パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタート。2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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