【リーガ現地コラム】バレンシアの再建へ――。新人監督ガリー・ネビルの大いなる挑戦

カテゴリ:連載・コラム

豊福晋

2015年12月04日

ベッカム在籍時のレアル・マドリーを想起させるメディアの反応。

就任会見には80を超えるメディアが駆けつける異例の注目ぶり。重圧をはねのけ、G・ネビル新監督はリーガで9位と低迷するバレンシアを立て直せるか。(C)REUTERS/AFLO

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 バレンシアにガリー・ネビルがやってきた。

 リーガ・エスパニョーラ13節のセビージャ戦の後に、ヌーノ・エスピリト・サント監督が辞任を発表。その後任としてバレンシアに招かれたのが、G・ネビルだ。契約は2016年6月30日まで。試合が行なわれた日曜日(11月29日)の午後、クラブのオーナーであり友人のピーター・リムから直接誘いの電話を受け、崩れかけたチームを立て直す役割を託された。

 マンチェスター・ユナイテッドのレジェンドは、もちろんスペインでも名の知れた存在だ。

 期待や好奇心の表われだろう。12月3日に行なわれた就任会見には、スペイン、英国のメディアを中心に世界中から80を超える媒体が駆けつけた。バレンシアの監督就任会見において、これは記録的な出来事である。

 会見は1時間にも及ぶなど、メディアの引きがほとんどなかったヌーノ前監督と比べて、周囲の反応は大きく異なる。英国メディアが殺到する様を見てどことなく思い出されるのが、デイビッド・ベッカムやマイケル・オーウェンが在籍していた当時のレアル・マドリーの喧騒だ。

 バレンシアの地元スポーツ紙『スーペルデポルテ』は、“Un Lider” (リーダーの到来)と報じている。

 メディアの注目はクラブ史上最高と呼べるほど。ただし、本当にG・ネビルが監督としてバレンシアを再建できるのかといえば、それは未知数だ。

 マウリシオ・ペッジェグリーノ、ミロスラフ・デュキッチ、そしてヌーノと、バレンシアは監督経験のあまりない、選手上がりの若手指揮官に託す傾向がある。今回もそんな賭けに出たことになる。肝心のG・ネビル本人は、会見で経験不足について問われた際に、自信ありげに答えている。

「私は絶対君主ではない。(アシスタントコーチの)弟フィル・ネビルとミゲル・アンヘル・アングーロのアドバイスを聞くよ。フィルは、このチームにはハードワークをこなせる選手が多いと言っていた。私にとってはそれが最も重要なんだ」

 会見で最初に受けた質問が、「英国式のウイングを採用するのか?」という内容だった事実からもわかるように、どんなサッカーを見せるのか、周囲は興味津々である。
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