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【セリエA現地コラム】首位攻防戦で痛恨の退場を食らった長友。イタリアにおける「ファウルの使い方」とは?

カテゴリ:連載・コラム

片野道郎

2015年12月02日

イタリアではファウルの“使い方”が重視される。

すでにイエローカードを受けているにもかかわらず、アランにリスクの大きいタックルを仕掛けた長友。状況判断の悪さが批判の的となった。(C)Getty Images

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 とはいえ、長友の退場がこの時点ですでに1点リードされていたインテルを、さらなる窮地に追い込んだという事実は変わらない。とりわけ2枚目のカードにつながったファウルは、すでに1枚警告を受けていたにもかかわらず、リスクの大きなスライディングタックルを、しかも明らかに遅れたタイミングで仕掛けている。状況判断が軽率だったと言わざるを得ない。
 
 実際、長友に対する批判のほとんどは、ファウルの悪質さや稚拙さではなく、リスクをコントロールできなかった判断の悪さを指摘するものだ。
 
 ちなみにイタリアでは、ファウルで相手を止めること自体が悪いとは考えられていない。ここで抜かれればより大きな危険が生じる可能性がある場合は、「戦術的ファウル」で止めるのが当たり前であり、むしろそれをしないことは怠慢であると考えられている。
 
 とはいえ、それを繰り返せば警告、さらには退場処分を受けるのは避けられない。それゆえ選手に求められるのは、いつどこでファウルを“使う”かについての的確な状況判断だ。
 
「ディフェンダーはイエローカードをどこで“使う”かをよく考えてプレーしなければならない」とか、「ここで戦術的ファウルをしたのは正しい判断だった」といった表現が、カルチョでよく使われているのは実に象徴的だ。
 
 この試合において長友が「軽率だった」という声も、ファウルそれ自体ではなく、ファウルの犯し方(あるいは使い方)が不適切だった点に向けられたものだ。イタリアでは、ファウルもまた戦術的判断に基づいて“使う”ものなのである。
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