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【クラブW杯来日記念!短期集中連載】バルサ戦士の素顔――Vol.5 スアレス、アドリアーノ、A・ビダル

カテゴリ:メガクラブ

山本美智子

2015年11月27日

アドリアーノ「生真面目な静かなるブラジリアン」

アドリアーノは両サイドのDFからFWまで、さらにはCBもこなすマルチロール。バルサでは貴重なバックアッパーとして機能する。(C)Getty Images

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ADRIANO
アドリアーノ

背番号21/DF/ブラジル代表/1984年10月26日生まれ/173センチ・73キロ
 
「ブラジル人には2種類のタイプがいる」とよく言われる。リオのカーニバルをはじめとするお祭り騒ぎが大好きで、生まれつき歌って踊るのが身体にインストールされているブラジル人。そして、その典型的なイメージに当てはまらないブラジル人だ。
 
 バルサで言えばネイマールとダニエウ・アウベスが前者、そしてアドリアーノが後者のタイプだ。ナイトクラブなど夜遊びにはまったく興味を示さず、トレーニングが終わるとまっすぐ家に帰る典型的な真面目で優しい家庭人だ。
 
 とはいえ、同胞のネイマールやD・アウベスに絡まれると、途端にいたずらっ子の顔になる。バルサの関係者からは「アドリアーノはブラジル代表にいくと性格が変わるらしい」という話を聞いたことがある。
 
 とはいえ、相手の目を見て、静かな声で話す様子からは、真摯さが滲む。それは、食べるものに困るほど貧しくはなかったが、お世辞にも裕福とは言えない家庭に育ったからかもしれない。
 
 幼少の頃からの憧れはセレソンの大先輩ロベルト・カルロス。最初のサッカーの先生は父親だ。アドリアーノが利き足の左足を怪我した時、父はこう諭した。
 
「いい機会だから、右足も使えるように練習しなさい。プロフットボーラーになりたいなら、必ず大きな武器になるから」
 
 そうしてほぼ両利きになり、両SBでハイレベルにプレーできるようになったアドリアーノは、「父さんの言う通りだった。そのおかげでバルサに入れたんだ」と笑う。
 
 バカンスの時期には、家族でブラジルの故郷に帰る。「自分の起源を忘れてはいけない」と息子たちに伝えるためだという。その謙虚さこそが、アドリアーノの最大の武器だ。

普段は大人しいアドリアーノだが、ネイマール(左)ら底抜けに明るい同胞と絡んだ際はブラジル人らしい茶目っ気も見せる。(C)Getty Images

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