大久保曰く「なんで準備してないのかなと思う場面がたくさんある」
身長の低さをカバーするこうした深い洞察力が、相手DFを出し抜くプレーにつながっている。そうしてゴールを奪い続けてきた大久保は、だからこそJリーグでプレーする多くの選手に不満を持っているという。
「Jの試合を見ていて、『周りに誰がいようが俺が決める』というやつがまず居ない。準備が足りてないんですよね。ゴール前にいても、急にパスが来たら対応できない選手が多い。それは、もったいない。なんで準備してないのかなと思う場面がたくさんある」
「俺が決める」という気持ちの強さと、準備は密接に関わっていると大久保は話す。すなわち、「俺にパスを出せ、決めてやる」という強い思いを持つことで、フィニッシュの形をイメージするようになり、それに対する準備も意識するようになるというのだ。
大久保のゴールは、ワンタッチゴールも少なくないが、たまたまボールが転がってきているわけではない。状況を判断して予測し、準備しているのである。
直近の例で言うならば、10月4日のG大阪戦の1点目。中野嘉大が左サイドを突破してマイナスクロスを入れた場面だ。大久保は「まさか中野があそこまで行くとは思ってなかったし、あそこに出せるとも思ってなくて」と話すが、念のため「集中しておこう」と準備していたという。
中野は大久保の予想を良い方向に裏切って相手守備陣を抜き去り、そして絶妙なフェイクで揺さぶって、ラストパスを入れる。可能性を信じて準備していた大久保は、ゴール前を横断したラストパスにあわせて難なく押し込んだ。
ゴールとは、考え続けることで生まれるものなのだろう。大久保はそこを突き詰められたからこそ、3年連続得点王という偉業を達成しようとしているのだ。
大久保が持つ考える能力と、攻撃的なスタイルの川崎というチームが共鳴し合い、得点力を最大限に引き出してきた。その結果が史上稀に見るハイペースでのゴールラッシュの理由であろう。
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)
「Jの試合を見ていて、『周りに誰がいようが俺が決める』というやつがまず居ない。準備が足りてないんですよね。ゴール前にいても、急にパスが来たら対応できない選手が多い。それは、もったいない。なんで準備してないのかなと思う場面がたくさんある」
「俺が決める」という気持ちの強さと、準備は密接に関わっていると大久保は話す。すなわち、「俺にパスを出せ、決めてやる」という強い思いを持つことで、フィニッシュの形をイメージするようになり、それに対する準備も意識するようになるというのだ。
大久保のゴールは、ワンタッチゴールも少なくないが、たまたまボールが転がってきているわけではない。状況を判断して予測し、準備しているのである。
直近の例で言うならば、10月4日のG大阪戦の1点目。中野嘉大が左サイドを突破してマイナスクロスを入れた場面だ。大久保は「まさか中野があそこまで行くとは思ってなかったし、あそこに出せるとも思ってなくて」と話すが、念のため「集中しておこう」と準備していたという。
中野は大久保の予想を良い方向に裏切って相手守備陣を抜き去り、そして絶妙なフェイクで揺さぶって、ラストパスを入れる。可能性を信じて準備していた大久保は、ゴール前を横断したラストパスにあわせて難なく押し込んだ。
ゴールとは、考え続けることで生まれるものなのだろう。大久保はそこを突き詰められたからこそ、3年連続得点王という偉業を達成しようとしているのだ。
大久保が持つ考える能力と、攻撃的なスタイルの川崎というチームが共鳴し合い、得点力を最大限に引き出してきた。その結果が史上稀に見るハイペースでのゴールラッシュの理由であろう。
取材・文:江藤高志(川崎フットボールアディクト編集長)