負ける気がしない、不思議な感じ
不確定要素の多い外的要因に左右されず自分を見つめ続けることで、考えるべきこと、なすべきことが安定してくる。すると、浮き沈みの激しい日々の中でも一定のリズムが保てるようになる。それを続けることが試合の安定したパフォーマンスにつながる。
「日常からやり切るということは、今できることをやる、という意味でもあります。勝ち負けがある中で、負けているからやるではダメだし、勝ってるからやらないでもダメ。一日一日、やるべきことをやれるか。『優勝したい』と口で言っていても、ふさわしい取り組みができていない限り目標には届かない。やらなければ結果は出ない。やっても結果が必ず出る保証はないですが成長はできる。であれば結局、やるしかないんです」
もし今できることをやり切り続けたら。その先に待っている感覚を、森監督は知っている。
「徳島市立高時代、高円宮杯(1991年)とインターハイ(1992年)で優勝したのですが、本当に不思議な感じがしたんです。もちろん優勝したいと思っていましたけど、気づいたら優勝していたといいますか。僕の感覚では何がなんでも勝つ、というより負ける気がしないといった方が正しい空気がチーム内にあって」
この体験が今、自身のサッカー哲学、信念の一部になっている。
「あの感覚は何だったのだろうと考えると、結果が伴う取り組みを日々していたからこそ、無自覚のうちに自然と結果に近づいていたのではないかと。やるべきことをやっていないから必要以上の不安や緊張が生まれる。逆にやるべきことをやっていれば、強く望まずとも結果はきちんとついてくる。この感覚を得た経験があるから、『今やるべきことをちゃんとやり切ろう』という話をするんだと思います」
今回のインタビュー中、「不思議な感じ」という言葉は他の場面でも聞かれた。昨シーズンの戦いで印象に残っている試合を聞いた際のことだ。
「関東リーグ1部後期7節、ホームでの流通経済大ドラゴンズ龍ケ崎戦。ホーム初勝利になった試合です。0—2からの逆転にびっくりしたといいますか。選手たちが本当によく戦ってくれました。2—0というスコアは難しいと言われますが、実際そこから3点取って逆転するのは簡単ではありませんから」
前半早々に2失点を喫したものの、関口訓充のPK、そして豪快なFKで同点に追いつき、会場は興奮のるつぼに。そして後半、長澤皓祐が逆転ゴールを決めて勝ち切ったこの試合は、待望のホーム初勝利をサポーターにもたらすとともに、関東リーグ1部残留に関してもポイントとなる一戦となった。
「映画を観て音楽を聴いて感動するように、非日常的な体験をサッカーで感じるとすれば、本当にがむしゃらな姿にあると思います。もちろんサッカー自体が楽しいというのもありますが、サッカーが知らない人でも感動するのだとすれば、本当に必死に戦っている姿なのではないかと。僕自身ですか? 僕は結構いろんなことを考えながら見ていたので。感動すべきなのかもしれないですけど、感動というより、すごく不思議な感じになりました。前半早々に2点ビハインドで、このあとどうしようかと思案していたら追いついて。同点になってからは、もちろん油断は禁物ですけど、このままいったら勝てるなと」
徳島市立時代に感じた不思議な感覚。そういえば、かつて関東リーグ2部の時もシーズン後半から「負ける気がしない感覚がある」とインタビューで語っていた。それが昨シーズンも感じられる試合があったということか。まだおぼろげかもしれないが、チームに成功体験は確実に蓄積されてきている。この感覚を恒常的なものとしてチームに根付かせたい。
「日常からやり切るということは、今できることをやる、という意味でもあります。勝ち負けがある中で、負けているからやるではダメだし、勝ってるからやらないでもダメ。一日一日、やるべきことをやれるか。『優勝したい』と口で言っていても、ふさわしい取り組みができていない限り目標には届かない。やらなければ結果は出ない。やっても結果が必ず出る保証はないですが成長はできる。であれば結局、やるしかないんです」
もし今できることをやり切り続けたら。その先に待っている感覚を、森監督は知っている。
「徳島市立高時代、高円宮杯(1991年)とインターハイ(1992年)で優勝したのですが、本当に不思議な感じがしたんです。もちろん優勝したいと思っていましたけど、気づいたら優勝していたといいますか。僕の感覚では何がなんでも勝つ、というより負ける気がしないといった方が正しい空気がチーム内にあって」
この体験が今、自身のサッカー哲学、信念の一部になっている。
「あの感覚は何だったのだろうと考えると、結果が伴う取り組みを日々していたからこそ、無自覚のうちに自然と結果に近づいていたのではないかと。やるべきことをやっていないから必要以上の不安や緊張が生まれる。逆にやるべきことをやっていれば、強く望まずとも結果はきちんとついてくる。この感覚を得た経験があるから、『今やるべきことをちゃんとやり切ろう』という話をするんだと思います」
今回のインタビュー中、「不思議な感じ」という言葉は他の場面でも聞かれた。昨シーズンの戦いで印象に残っている試合を聞いた際のことだ。
「関東リーグ1部後期7節、ホームでの流通経済大ドラゴンズ龍ケ崎戦。ホーム初勝利になった試合です。0—2からの逆転にびっくりしたといいますか。選手たちが本当によく戦ってくれました。2—0というスコアは難しいと言われますが、実際そこから3点取って逆転するのは簡単ではありませんから」
前半早々に2失点を喫したものの、関口訓充のPK、そして豪快なFKで同点に追いつき、会場は興奮のるつぼに。そして後半、長澤皓祐が逆転ゴールを決めて勝ち切ったこの試合は、待望のホーム初勝利をサポーターにもたらすとともに、関東リーグ1部残留に関してもポイントとなる一戦となった。
「映画を観て音楽を聴いて感動するように、非日常的な体験をサッカーで感じるとすれば、本当にがむしゃらな姿にあると思います。もちろんサッカー自体が楽しいというのもありますが、サッカーが知らない人でも感動するのだとすれば、本当に必死に戦っている姿なのではないかと。僕自身ですか? 僕は結構いろんなことを考えながら見ていたので。感動すべきなのかもしれないですけど、感動というより、すごく不思議な感じになりました。前半早々に2点ビハインドで、このあとどうしようかと思案していたら追いついて。同点になってからは、もちろん油断は禁物ですけど、このままいったら勝てるなと」
徳島市立時代に感じた不思議な感覚。そういえば、かつて関東リーグ2部の時もシーズン後半から「負ける気がしない感覚がある」とインタビューで語っていた。それが昨シーズンも感じられる試合があったということか。まだおぼろげかもしれないが、チームに成功体験は確実に蓄積されてきている。この感覚を恒常的なものとしてチームに根付かせたい。