【連載】ミラン番記者の現地発・本田圭佑「熱狂的ファンの“リアル”な評価」

カテゴリ:連載・コラム

マルコ・パソット

2015年11月04日

ウルトラスは本田のプロフェッショナリズムを評価する。

サン・シーロの南側スタンドに陣取るミランの熱狂的サポーター。彼らは本田をどう評価しているのか?(C)Getty Images

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 ミランに入団して約2年間、本田のバイオリズムの波は上がったり下がったりを繰り返している。しかも残念ながら、好調よりも不調のほうがずっと長い。
 
 本田のミラン加入、そして栄光の背番号10に相応しいか否かは、常にミラニスタから懐疑的な目が向けられてきた。「すべてはマーケティングのためではないか」という声が、いつも付きまとってきたのだ。
 
 本田の低調ぶりがそれに信憑性を与え、最近は本拠地サン・シーロでブーイングを浴びる機会も少なくない。
 
 いま現在、ミラニスタたちは本田のことをどう思っているのか? とくにクルバ・スッド(ゴール裏)に陣取るウルトラス(熱狂的サポーター)たちは、彼をどう見ているのか? 
 
 先日、私はミランのウルトラスをまとめるリーダーのひとり、ルカ・ルッチにそんな質問を投げてみた。
 
 ルカは数多くあるミラン・ウルトラスの中でも、9000人近いメンバーを持つ伝統あるグループのヘッドだ。
 
 まず、驚いたことに彼らは、本田を評価に値する選手と見ているようだ。
 
「本田の真の実力は、昨シーズン序盤に見せたものだと思っている。彼は7試合で6ゴールを決めてみせた。しかし、その後は残念ながら輝けずにいる。すべての元凶は、アジアカップ(2015年1月)だろう。あの大会から帰ってきて以降の本田には、ガッカリだね」
 
 そう語ったルカは、こう続けた。
 
「ミランの危機は全ての選手、そしてクラブの全ての人間を巻き込んだ。新しく入ってきた選手たちも、誰もがネガティブなスパイラルに陥った。本田もそんな選手の一人であり、クラブの混沌のツケを払わされたところがある。監督が次々と代わり、システムも変わり、必ずしも必要のない選手をむやみに獲得し……。本田を一言で言い表わすならば、“誤った時期にやってきた真のプロフェッショナル”って感じだな」
 
 そう、ウルトラスたちは本田を陰日向なく一所懸命に働くプロフェッショナルとして認めているのだ。
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