軌道修正した湘南戦はハマったが…
それでも試合を重ねながら徐々にオプションが増えたり、上向いている部分もあった。だが、そうしたスタイルの割に全体の走行距離が低く、可変システムも相手を見ながら臨機応変にというより、パターンになってしまう現象が起きるなかで、序盤戦にゴールを量産した右サイドの鈴木雄斗の動きなども、相手に読まれやすくなった。
そうした状況下で救世主になりかけたのが、“ラッソ”ことファビアン・ゴンザレスだ。昨夏に加入したコロンビア人のストライカーは爆発的な推進力とフィジカルの強さを発揮して、立て続けにゴールを奪った。
ちょうど伊藤前監督が5-3-2システムを導入したタイミングと一致するが、中盤に運動量の豊富な鹿沼直生や上原力也が台頭したことと重なって、磐田は上昇気流に乗りかけた。
ルヴァンカップでアピールした若手も徐々にリーグ戦で出番が増えるなかで、何とか夏場を乗り越えて、ようやく軌道に乗りかけたタイミングで、F・ゴンザレスがコンディション不良となり、しばらく起用できない時期に磐田は深刻な得点力不足に陥った。
そうこうするうちに成績も落ち込み、19節のサンフレッチェ広島戦からの4連敗で降格圏に落ち、さらに天皇杯のラウンド16でJ2の東京ヴェルディに敗れたあたりから、伊藤前監督も“残留”というワードを口にするようになった。
おそらく、その時点での成績から当時の鈴木秀人強化部長からも、このままではまずいという声がかかったと考えられる。ボールを動かしながら可変していくスタイルから、ロングボールで一気に背後を取るスタイルにモデルチェンジし、機動力や運動量を重視したメンバー構成に。4連敗後、7月30日の湘南戦(23節)はそれが見事にハマり、1-0。リーグ戦では6月以来の勝利となった。
しかし、そうしたカンフル剤も一瞬で終わり、続く敵地での鳥栖戦で0-2の敗戦を喫すると、続くホームでの浦和戦で0-6の大敗。前述したとおり、それが伊藤前監督のラストゲームになった。
そうした状況下で救世主になりかけたのが、“ラッソ”ことファビアン・ゴンザレスだ。昨夏に加入したコロンビア人のストライカーは爆発的な推進力とフィジカルの強さを発揮して、立て続けにゴールを奪った。
ちょうど伊藤前監督が5-3-2システムを導入したタイミングと一致するが、中盤に運動量の豊富な鹿沼直生や上原力也が台頭したことと重なって、磐田は上昇気流に乗りかけた。
ルヴァンカップでアピールした若手も徐々にリーグ戦で出番が増えるなかで、何とか夏場を乗り越えて、ようやく軌道に乗りかけたタイミングで、F・ゴンザレスがコンディション不良となり、しばらく起用できない時期に磐田は深刻な得点力不足に陥った。
そうこうするうちに成績も落ち込み、19節のサンフレッチェ広島戦からの4連敗で降格圏に落ち、さらに天皇杯のラウンド16でJ2の東京ヴェルディに敗れたあたりから、伊藤前監督も“残留”というワードを口にするようになった。
おそらく、その時点での成績から当時の鈴木秀人強化部長からも、このままではまずいという声がかかったと考えられる。ボールを動かしながら可変していくスタイルから、ロングボールで一気に背後を取るスタイルにモデルチェンジし、機動力や運動量を重視したメンバー構成に。4連敗後、7月30日の湘南戦(23節)はそれが見事にハマり、1-0。リーグ戦では6月以来の勝利となった。
しかし、そうしたカンフル剤も一瞬で終わり、続く敵地での鳥栖戦で0-2の敗戦を喫すると、続くホームでの浦和戦で0-6の大敗。前述したとおり、それが伊藤前監督のラストゲームになった。
筆者に言わせれば、最初の失点も磐田が大きなチャンスを浦和に止められた裏返しのカウンターで、その後の失点も勝負のアヤが明暗となった部分はある。そして追いかける展開で、ボールを持つ側になった時に、短期のモデルチェンジが裏目に出た形でもあった。
クラブは指揮官と強化部長を同時に解任。後者に関しては後日、フットボール本部の新体制として、藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)の就任が発表されるのだが、新監督は鈴木政一氏の復任も浮上したなかで、渋谷コーチが繰り上がる形で監督に指名された。
もともと伊藤前監督の先輩にあたり、かつて大宮をJ1の5位に導いたこともある渋谷監督の手腕に疑いはない。
ただ、残された9試合を戦うにあたり、腹を括った戦いは難しい。これまで築いてきたベースを信じながら、ディテールを整えていく作業になることは自然だった。そのなかで結果がついてこなかったわけだが、やはり悶々としたものが残ってしまう。
戦い方のベースを変えないのであれば伊藤前監督を継続すれば良かったし、監督を交代するなら割り切った戦い方にシフトする必要があったと考える。
クラブは指揮官と強化部長を同時に解任。後者に関しては後日、フットボール本部の新体制として、藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)の就任が発表されるのだが、新監督は鈴木政一氏の復任も浮上したなかで、渋谷コーチが繰り上がる形で監督に指名された。
もともと伊藤前監督の先輩にあたり、かつて大宮をJ1の5位に導いたこともある渋谷監督の手腕に疑いはない。
ただ、残された9試合を戦うにあたり、腹を括った戦いは難しい。これまで築いてきたベースを信じながら、ディテールを整えていく作業になることは自然だった。そのなかで結果がついてこなかったわけだが、やはり悶々としたものが残ってしまう。
戦い方のベースを変えないのであれば伊藤前監督を継続すれば良かったし、監督を交代するなら割り切った戦い方にシフトする必要があったと考える。