後半の途中からエンジンがかかるようでは遅すぎる。

自陣からの長谷部(17番)のロングフィードに抜け出した岡崎がPKを奪取。『まずは裏を狙う』ことを第一優先に考えたチームコンセプトが上手くハマった先制点だった。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)
結果的に日本は後半に3得点を奪い、守備陣も無失点で抑えて、完封勝利を収めることができた。
3つのゴールを振り返ると、まず先制点の場面では、ボランチの長谷部から岡崎へのシンプルな縦パス1本が起点となって、岡崎がエリア内でファウルを受けてPKを獲得。これを本田が冷静に流し込んでリードを奪う。
『まずは裏を狙う』ことを第一優先に考えたチームコンセプトが上手くハマり、相手の守備陣形が整う前に、縦に速く仕掛けられたのが奏功したと思う。
点取り屋としての経験が豊富な岡崎のしたたかさも見逃せない。前半から球際に強く来ていた相手の傾向を把握したうえで、走りながらもDFの寄せてくる動きをしっかりと確認し、ファウルを誘うように一歩前に出る。まさにPKを“もらいにいった”形で、岡崎のテクニックが光った場面でもあった。
その岡崎が香川からのアシストで決めた2点目は、ニアサイドを深くえぐった香川の個人技でほぼ決まり。ここでもやはり、香川は中央からではなくサイドからの仕掛けで決定機を演出してみせた。
3点目は、前掛かりとなった相手の裏を突いて、訪れたゴールチャンスを確実にモノにしてみせた。スコアラーが途中出場の宇佐美という点でも、戦力の底上げという意味でハリルホジッチ監督を喜ばせたんじゃないかな。
この勝利によって日本はシリアに代わり、グループ首位に立った。とりあえずは一安心というところかもしれないけど、ワールドカップ本大会を見据えれば、個人的には不安のほうが大きいのが正直なところ。
まだアジア予選の段階で、ロシア行きのチケットを手にしたわけでもないし、気が早いかもしれない。でも、シリア戦のような戦い方では、例えば世界の強豪国と戦った時には、調子の上がらない前半のうちに勝負を決められてしまう可能性は十分にあり得る。
先制を許してビハインドを追いかける状況になれば、前掛かりにならざるを得ず、その隙を突かれてさらに失点という、言うなれば今回のシリアの立場に日本が立たされるかもしれないんだ。
シリア戦を振り返れば、はっきり言って60分過ぎぐらいまで香川は輝きを放てたとは言い難いし、1得点・1アシストの本田にしても、本来の実力を考えれば、物足りなさを感じさせるパフォーマンスだった。チームとしても、後半の途中からエンジンがかかるようでは遅すぎる。
この結果に満足している選手たちはいないと思うけど、完勝のなかでも見えてきた課題にしっかり取り組んで、世界を見据えたうえで、危機意識を忘れずに今後も戦っていってほしい。
3つのゴールを振り返ると、まず先制点の場面では、ボランチの長谷部から岡崎へのシンプルな縦パス1本が起点となって、岡崎がエリア内でファウルを受けてPKを獲得。これを本田が冷静に流し込んでリードを奪う。
『まずは裏を狙う』ことを第一優先に考えたチームコンセプトが上手くハマり、相手の守備陣形が整う前に、縦に速く仕掛けられたのが奏功したと思う。
点取り屋としての経験が豊富な岡崎のしたたかさも見逃せない。前半から球際に強く来ていた相手の傾向を把握したうえで、走りながらもDFの寄せてくる動きをしっかりと確認し、ファウルを誘うように一歩前に出る。まさにPKを“もらいにいった”形で、岡崎のテクニックが光った場面でもあった。
その岡崎が香川からのアシストで決めた2点目は、ニアサイドを深くえぐった香川の個人技でほぼ決まり。ここでもやはり、香川は中央からではなくサイドからの仕掛けで決定機を演出してみせた。
3点目は、前掛かりとなった相手の裏を突いて、訪れたゴールチャンスを確実にモノにしてみせた。スコアラーが途中出場の宇佐美という点でも、戦力の底上げという意味でハリルホジッチ監督を喜ばせたんじゃないかな。
この勝利によって日本はシリアに代わり、グループ首位に立った。とりあえずは一安心というところかもしれないけど、ワールドカップ本大会を見据えれば、個人的には不安のほうが大きいのが正直なところ。
まだアジア予選の段階で、ロシア行きのチケットを手にしたわけでもないし、気が早いかもしれない。でも、シリア戦のような戦い方では、例えば世界の強豪国と戦った時には、調子の上がらない前半のうちに勝負を決められてしまう可能性は十分にあり得る。
先制を許してビハインドを追いかける状況になれば、前掛かりにならざるを得ず、その隙を突かれてさらに失点という、言うなれば今回のシリアの立場に日本が立たされるかもしれないんだ。
シリア戦を振り返れば、はっきり言って60分過ぎぐらいまで香川は輝きを放てたとは言い難いし、1得点・1アシストの本田にしても、本来の実力を考えれば、物足りなさを感じさせるパフォーマンスだった。チームとしても、後半の途中からエンジンがかかるようでは遅すぎる。
この結果に満足している選手たちはいないと思うけど、完勝のなかでも見えてきた課題にしっかり取り組んで、世界を見据えたうえで、危機意識を忘れずに今後も戦っていってほしい。