関東リーグ1部昇格前から日本一過酷なJFL昇格を見据えて

南葛SC加入が決まった元日本代表のMF稲本。ファンからの反響もひと際大きな移籍となった。写真:田中研治

磐田から移籍する今野は昨季、チームのJ2優勝に貢献。稲本とのダブルボランチに期待する声も。写真:徳原隆元
南葛SCは、これまでも元Jリーガーといったビッグネームの移籍で話題を呼んできた。しかし、今シーズンの補強に関してはこれまでとひと味もふた味も異なる意気込みで臨んでいる。裏にあるのは「日本一過酷」と言われるJFLへの昇格。これが2022シーズンの最終目標とするならば、相当な覚悟が必要になる。
実際、岩本GMは昨年、関東リーグ1部昇格入替戦前から選手補強に動き出していた。入替戦前の12月21日の時点で、すでに柳裕元、森山翔介、三上智哉の大学生選手3名の入団を発表している。
「Jリーグに関しては12月に入ってからでないと契約満了といった情報が出てきません。一方で、大学生は早くスカウティングを行なわないと希望する選手を他のチームに取られてしまいますから」
2021年の関東リーグ2部のリーグ戦が終わったのが10月10日。その後、オフを挟み入替戦へ向けて動き出した11月頭には、練習参加も行なわれていた。
「大学生に関しては契約しているスカウトからの推薦や人脈から候補を決めます。例えば上武大学から来る三上智哉は昨年のチーム得点王ですが、今年から鹿島アントラーズトップチームコーチに就任した岩政大樹さんが昨年まで上武大の監督で。岩政さんからの紹介もあり練習参加してもらいました。岩政さんいわく『よく走れて球際も強く、戦術理解度も高い。チームのために戦える選手です』という評価で、実際にプレーを見た森一哉監督の評価も高かったので決めました」
ハイレベルな関東リーグ1部、そして昇格の関門となる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)、付随する全国社会人サッカー選手権大会(全社)のことを考えれば「走れて点を取れる選手」は重宝される。三上の例からも分かるように、新シーズンを見据えて着実に戦力アップを図りながら交渉事は続いた。
「稲本潤一には他のクラブからも話があった中、本人が興味を示してくれているという話を聞きまして。話をさせてもらえるだけありがたいんですけど」
稲本とのアポイントを取り付けたのは12月16日(実際に会ったのは同28日)。そして、「こちらからアプローチした」という今野と初めて長く話したのは12月24日。関東リーグ1部昇格入替戦という大一番の前日だ。ちなみに、24日には1月6日に獲得が発表された関西学院大学の安羅修雅とも話している。
「稲本も今野も、かつてメディアで働いていた時に何十回とインタビューさせてもらっていて。当時から付き合いのある彼らが南葛SCに入ってくれる縁を感じつつ、一方で気を付けていたのは、アウトを通達する方です。入替戦を控えてチームの空気を崩しかねない一方で、伝えるべきことは伝えなければいけない。そのバランスにとても悩みました」
結局、クラブから「アウト」を通達したのは2名と、異例の少なさにとどめた。
リーグ戦が終わってから、チームは入替戦に向け集中する一方で、GMは全選手との面談に加え、獲得交渉に奔走していた。チームの現状に気を配りつつ、来シーズンのことを考えて動く。話を聞いているだけでも頭が混乱してきそうだ。
実際、岩本GMは昨年、関東リーグ1部昇格入替戦前から選手補強に動き出していた。入替戦前の12月21日の時点で、すでに柳裕元、森山翔介、三上智哉の大学生選手3名の入団を発表している。
「Jリーグに関しては12月に入ってからでないと契約満了といった情報が出てきません。一方で、大学生は早くスカウティングを行なわないと希望する選手を他のチームに取られてしまいますから」
2021年の関東リーグ2部のリーグ戦が終わったのが10月10日。その後、オフを挟み入替戦へ向けて動き出した11月頭には、練習参加も行なわれていた。
「大学生に関しては契約しているスカウトからの推薦や人脈から候補を決めます。例えば上武大学から来る三上智哉は昨年のチーム得点王ですが、今年から鹿島アントラーズトップチームコーチに就任した岩政大樹さんが昨年まで上武大の監督で。岩政さんからの紹介もあり練習参加してもらいました。岩政さんいわく『よく走れて球際も強く、戦術理解度も高い。チームのために戦える選手です』という評価で、実際にプレーを見た森一哉監督の評価も高かったので決めました」
ハイレベルな関東リーグ1部、そして昇格の関門となる全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(地域CL)、付随する全国社会人サッカー選手権大会(全社)のことを考えれば「走れて点を取れる選手」は重宝される。三上の例からも分かるように、新シーズンを見据えて着実に戦力アップを図りながら交渉事は続いた。
「稲本潤一には他のクラブからも話があった中、本人が興味を示してくれているという話を聞きまして。話をさせてもらえるだけありがたいんですけど」
稲本とのアポイントを取り付けたのは12月16日(実際に会ったのは同28日)。そして、「こちらからアプローチした」という今野と初めて長く話したのは12月24日。関東リーグ1部昇格入替戦という大一番の前日だ。ちなみに、24日には1月6日に獲得が発表された関西学院大学の安羅修雅とも話している。
「稲本も今野も、かつてメディアで働いていた時に何十回とインタビューさせてもらっていて。当時から付き合いのある彼らが南葛SCに入ってくれる縁を感じつつ、一方で気を付けていたのは、アウトを通達する方です。入替戦を控えてチームの空気を崩しかねない一方で、伝えるべきことは伝えなければいけない。そのバランスにとても悩みました」
結局、クラブから「アウト」を通達したのは2名と、異例の少なさにとどめた。
リーグ戦が終わってから、チームは入替戦に向け集中する一方で、GMは全選手との面談に加え、獲得交渉に奔走していた。チームの現状に気を配りつつ、来シーズンのことを考えて動く。話を聞いているだけでも頭が混乱してきそうだ。